編集部
現場で円すいの型に入れて測っているの、見たことありませんか?あれがスランプ試験です。固まる前のコンクリートの軟らかさを、その場で確かめています。年度別の問われ方を見ておきましょう。
この記事の要点
スランプ試験は、固まる前のコンクリートの軟らかさ(ワーカビリティ)を測る試験です。コーンを引き上げたときの下がり量がスランプです。
空気量は、AEコンクリートで4?7%程度とし、凍害対策に役立ちます。過去問での問われ方を年度別に押さえます。
固まる前のコンクリート(フレッシュコンクリート)が、ちょうどよい軟らかさかどうかを現場で確かめるのがスランプ試験です。あわせて空気量も確認します。
スランプ試験は、フレッシュコンクリートの軟らかさを測る試験で、スランプコーンを引き上げたときの頂部の下がり量がスランプです。
スランプコーンにコンクリートを詰めて静かに引き上げると、コンクリートは自重で下がります。この下がった量がスランプで、大きいほど軟らかいことを表します。スランプの目標値は、コンクリートの配合で決めます。
スランプコーンの寸法や詰め方は規格(JIS)で決まっています。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 上端の内径 | 100mm |
| 下端の内径 | 200mm |
| 高さ | 300mm |
| 詰め方 | 3層に分け、各層を25回突く |
試料はほぼ等しい量の3層に分けて詰め、各層を突き棒で25回ずつ突きます。引き上げた後、中央部の下がりを0.5cm単位で測ります。
コンクリートの中に細かい空気のあわをつくると、ワーカビリティがよくなり、凍害(こおって傷む)にも強くなります。この空気のあわをつくる混和剤がAE剤で、これを使ったものがAEコンクリートです。空気量は、練上り時にコンクリートの容積の4?7%程度とするのが一般的です。空気量の許容差は、指定した値に対して±1.5%です。
ただし、空気量を増やしすぎると強度が下がります。空気量はエアメータで測定します。
混同しやすい用語
コンシステンシー と ワーカビリティ
似た意味で使われますが、範囲が違います。コンシステンシーは、変形のしやすさ・流動のしやすさの程度で、スランプで測るのはこの性質です。ワーカビリティは、運搬・打込み・締固め・仕上げのしやすさ全般を指し、材料が分離しにくいことなども含む、より広い言葉です。やわらかさの度合いがコンシステンシー、作業のしやすさ全体がワーカビリティ、と分けて覚えます。
スランプ試験と空気量は、平成24年度から令和8年度まで、2級・1級でほぼ毎年問われています。引っかけは、試験方法の数値と、空気量と強度の関係です。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和8年度 2級 No.56 | レディーミクストコンクリートの受入検査。スランプ12cmで「許容される上限値を15.0cm」とするのは誤り(許容差±2.5cmで上限は14.5cm) |
| 令和8年度 2級 No.10 | コンクリート中に多数の微細な独立気泡を均等に生じさせる混和剤は、AE剤である(正しい記述) |
| 令和6年度 2級 No.11 | スランプ試験。スランプコーンの高さを「50cm」、ブリーディング量で表すとするのは誤り(高さは30cm、中央部の下がりを0.5cm単位で測る) |
| 平成24年度 1級 No.7 | 配合設計。空気量が増すほどコンクリート強度が大きくなる、とするのは誤り(空気量を増やすと強度は低下する) |
核心は空気量と強度の関係です。空気量を増やすほど強度が大きくなる、スランプコーンの高さを「50cm」とする記述は誤りです。空気量を増やすと強度は低下し(適切な範囲は4?7%程度)、スランプコーンの高さは30cmで、中央部の下がりを測ります。
数値では、スランプコーンは上端100mm・下端200mm・高さ300mm、3層・各層25回をセットで押さえます。
問題:スランプ試験では、試料を3層に分けて詰め、各層を突き棒で25回ずつ突く。
〇か×か。
答え:〇
上端100mm・下端200mm・高さ300mmのスランプコーンに、3層に分けて各層25回突いて詰めます(令和6年度 2級 No.11)。
問題:空気量を増やすほど、コンクリートの強度は大きくなる。
〇か×か。
答え:×
空気量を増やすとワーカビリティは改善しますが、強度は低下します。適切な範囲(4?7%程度)にします(平成24年度 1級 No.7)。
問題:スランプ試験で用いるスランプコーンの高さは、50cmである。
〇か×か。
答え:×
スランプコーンの高さは30cm(300mm)です。50cmではありません(令和6年度 2級 No.11)。
スランプ試験は、フレッシュコンクリートの軟らかさを測る試験です。
スランプコーン(上端100mm・下端200mm・高さ300mm)に3層・各層25回詰めて下がり量を測り、空気量は増やすと強度が下がるのが要点です。
試験方法の数値と、空気量を増やすと強度が下がる点が、過去問でよく問われます。
参考資料
※ 数値は規格・標準に基づく値です。規格の改定があり得るため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月