ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和6年度 1級土木施工管理技士 問題B No.2を解説、工事目的物の引渡し等

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.2は、工事目的物の引渡し等に関する記述のうち、公共工事標準請負契約約款上誤っているものを選ぶ問題です。臨機の措置の費用、不可抗力による損害、第三者への損害、契約不適合の追完という4つの負担のルールを見分けます。

この問題のポイント

誤りは、不可抗力による損害を誰が負うかにあります。天災等は受注者の責めに帰さない事由なので、保険等でてん補されなかった部分は発注者に請求できるのが約款の考え方です。⑵は請求できないと書いており、負担の向きが逆になります。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 引渡し前に受注者が災害防止等のためにとった臨機の措置に要した費用は、受注者が請負代金額の範囲において負担することが適当でないと認められる部分は発注者が負担する○(正しい)請負代金の中で見るのが酷な部分は発注者負担
⑵ 天災等の不可抗力により生じた損害による費用のうち、保険等によりてん補されなかった部分については、発注者に請求することができない×(誤り)保険等でてん補されなかった部分は発注者に請求することができる
⑶ 施工に伴い通常避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等により第三者に損害を及ぼしたときは、原則として発注者が負担する○(正しい)工法上避けられない損害は発注者負担が原則
⑷ 引き渡された工事目的物が契約不適合であるときは、発注者は修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求できるが、過分の費用を要するときは請求できない○(正しい)追完に過分の費用がかかる場合は請求できない

選択肢2のポイント(ここが誤り)

公共工事標準請負契約約款は、費用や損害を誰が負うかを事由ごとに定めています。受注者の責めに帰すべき事由なら受注者、そうでない事由なら発注者という切り分けです。天災等の不可抗力は受注者が防ぎようのない事由にあたります。

そこで不可抗力により工事目的物や仮設物、搬入済みの工事材料に生じた損害のうち、保険等によりてん補されなかった部分は、発注者に請求することができる。⑵はこれを請求できないとしており、約款の考え方と逆です。⑴の臨機の措置に要した費用で受注者が負担するのが適当でない部分を発注者が負担すること、⑶の通常避けることができない騒音や振動等による第三者への損害を原則として発注者が負担すること、⑷の追完に過分の費用を要する場合は請求できないことは、いずれも正しい記述です。したがって誤っているものは選択肢2です。

覚え方

  • 不可抗力の損害で保険等でてん補されない部分は発注者に請求できる
  • 臨機の措置の費用は、受注者が請負代金の範囲で負担するのが適当でない部分を発注者が負担
  • 通常避けられない騒音・振動等による第三者の損害は原則発注者/追完は過分の費用を要すれば請求できない

理解度チェック

問題:不可抗力による損害のうち、保険等でてん補されなかった部分は発注者に請求することができない。

〇か×か。

答え:×

請求することができます。受注者の責めに帰さない事由による損害だからです。

問題:施工に伴い通常避けることができない騒音や振動で第三者に損害を及ぼしたときは、原則として発注者が負担する。

〇か×か。

答え:

工法上避けられない損害は発注者の負担が原則です。

令和6年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

※ 問題文は転載していません。約款の条文は、公共工事標準請負契約約款(中央建設業審議会)で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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