ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和6年度 1級土木施工管理技士 問題B No.1を解説、TSを用いて行う測量

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.1は、TS(トータルステーション)を用いて行う測量に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。観測の記録、気象の測定と補正、観測の対回数という4つの記述を見分けます。問題Bの先頭にあたる問題です。

この問題のポイント

誤りは、標準大気圧で気象補正を済ませてよい測量の等級にあります。距離測定は空気の温度と気圧で光の進み方が変わるため補正が要ります。気圧の測定を省いて標準大気圧を用いてよいのは3級・4級基準点測量で、1級・2級では認められません。⑵が等級を入れ替えていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ TSでの観測の記録はデータコレクタを用いるが、これを用いない場合には観測手簿に記載する○(正しい)電子的に記録するのが基本で、使わない場合は手簿に残す
⑵ 距離測定に伴う気象の測定において、1級及び2級基準点測量は、標準大気圧を用いて気象補正を行うことができる×(誤り)標準大気圧を用いてよいのは3級・4級基準点測量。1級・2級は気象を測定する
⑶ 距離測定に伴う気象の測定は、距離測定の開始直前又は終了直後に行う○(正しい)測定した時点の気象条件で補正するため、直前か直後に測る
⑷ 1級基準点測量における水平角観測の必要対回数の2対回に合せ、取得された鉛直角観測値及び距離測定値はすべて採用し、その平均値を用いることができる○(正しい)同時に得られる鉛直角と距離は捨てずに平均して使える

選択肢2のポイント(ここが誤り)

TSの距離測定は光の往復時間や位相差を使うため、測定区間の気温と気圧が結果に効きます。そこで距離測定には気象補正がかかりますが、要求される精度は基準点測量の等級で変わります。精度の高い1級・2級では、その場の気象を測って補正します。

これに対し気圧の測定を省略して標準大気圧を用いた気象補正が認められるのは、3級及び4級基準点測量です。⑵は1級・2級と書いており、等級が逆です。⑴のデータコレクタと観測手簿の使い分け、⑶の気象測定を距離測定の開始直前又は終了直後に行うこと、⑷の鉛直角観測値と距離測定値をすべて採用して平均値を用いることは、いずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢2です。

覚え方

  • 標準大気圧で済ませてよいのは3級・4級。1級・2級は気象を測って補正する
  • 気象の測定は距離測定の開始直前又は終了直後(測ったときの条件で補正する)
  • 記録はデータコレクタが基本。用いない場合は観測手簿に記載する

理解度チェック

問題:1級及び2級基準点測量では、標準大気圧を用いて気象補正を行うことができる。

〇か×か。

答え:×

標準大気圧を用いてよいのは3級・4級基準点測量です。1級・2級では気象を測定します。

問題:TSでの距離測定に伴う気象の測定は、距離測定の開始直前又は終了直後に行う。

〇か×か。

答え:

測定した時点の気温・気圧で補正するため、時間を空けずに測ります。

令和6年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B・種別:土木) 問題」
  • 気象補正で標準大気圧を用いることができる等級(3級基準点測量及び4級基準点測量においては、気圧の測定を行わず標準大気圧を用いて気象補正を行うことができる):1級土木施工管理技士の過去問 令和6年度 問67(問題B No.1)

※ 問題文は転載していません。測量の作業方法は、公共測量の作業規程の準則等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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