令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.17は、建設工事に伴う環境保全対策について適当でないものを選ぶ問題です。作業時間帯の配慮、沿道交通への障害防止、遮音壁、土砂運搬時の飛散防止が並びます。
誤りは、遮音壁の効果を長さと切り離した点にあります。音は壁があっても回折して端や上から回り込むため、遮音壁の効果は高さ・長さ・音源と受音点の位置関係で変わります。設置長さに関係なく効果がある、とは言えません。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 住民の生活に影響の少ない時間帯を作業時間とし、建設機械の整備や取扱いを適正にする | ○(正しい) | 時間帯の配慮と機械側の対策の両輪 |
| ⑵ 工事用車両による沿道交通への障害を防ぐため、周辺道路の交通量・通学路の有無・迂回路の状況を事前に十分調査する | ○(正しい) | 走らせる前に道路条件を把握する |
| ⑶ 遮音壁は音が直進する性質を利用するもので、設置長さに関係なく効果がある | ×(誤り) | 音は回折して端から回り込む。長さ・高さ・位置で効果が変わる |
| ⑷ 土砂の運搬時はシート掛けを行い、作業場から公道に出る際は土砂の散逸防止に努める | ○(正しい) | 荷台の飛散と、タイヤ等に付いた土の持ち出しを両方防ぐ |
遮音壁は、音源と受音点の間に壁を置いて音の通り道をふさぐ設備です。ただし音は壁で完全に止まるわけではなく、壁の上端や両端を回り込んで反対側へ届きます。この回り込みが回折で、壁を回り込む経路が長くなるほど減衰量が大きくなります。壁を高くする、音源側または受音点側に近づけるといった対策が効くのはこのためです。
長さについても同じことが言えます。壁が短ければ端から回り込む音が増え、壁の裏側に立っても効果が出ません。「〜に関係なく効果がある」と条件を外した書き方の肢は誤りを疑うのが、この種の問題の見分け方です。遮音壁の効果は、高さ・長さ・音源と受音点の位置関係で決まります。
⑴は作業時間帯を住民の生活に合わせて選ぶことと、建設機械そのものの整備・取扱いを適正にすることの両方を挙げており、正しい記述です。⑵は工事用車両を走らせる前に、交通量・通学路の有無・迂回路の状況という道路側の条件を調べるもので、沿道への影響を減らす基本になります。⑷は荷台からの飛散をシートで防ぐことに加え、公道へ出る際にタイヤ等に付いた土砂を持ち出さないようにする措置です。したがって適当でないものは選択肢3です。
問題:遮音壁は、設置長さに関係なく同じ騒音低減効果が得られる。
〇か×か。
答え:×
音は端や上端を回折して回り込みます。長さが足りなければ端から回り込む音で効果が落ちます。
問題:工事用車両による沿道への影響を防ぐには、周辺道路の交通量や通学路の有無、迂回路の状況を事前に調査する。
〇か×か。
答え:〇
走らせてから問題が出ると対応できないため、事前調査で経路を決めます。
出典・参考資料
※ 問題文と選択肢は転載していません。原文はJCTCの公開資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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