令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.35は、微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定について、①〜④のうち適当なもののみをすべて挙げている組合せを選ぶ問題です。リバウンドハンマ、超音波法、衝撃弾性波法、小径コアが並びます。
不適当なのは②です。超音波法は構造物中の鉄筋の影響を受けるため、配筋状況によらず任意の位置で実施できるとはいえません。①③④はいずれも各手法の限界や前提を正しく述べており、②だけが制約を無いものとして書かれています。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(適当なものは①③④)
| 記述 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ① リバウンドハンマの反発度は含水状態や中性化等の影響を受け、一定以上の材齢が経過したコンクリートの圧縮強度を精度良く推定することは困難である | ○(適当) | 表層の状態に左右される |
| ② 超音波法による強度推定は鉄筋の影響を受けないので、配筋状況によらず任意の位置で実施できる | ×(不適当) | 鉄筋の影響を受けるため、配筋を踏まえて測定位置を選ぶ |
| ③ 衝撃弾性波法で精度良く推定するには、対象のコンクリートごとに弾性波の速度と強度の関係を事前に求めておく必要がある | ○(適当) | 関係式は材料・配合ごとに違う |
| ④ 小径コア(直径50mm以下)で圧縮強度試験を行うときは、直径100mmコアに対する強度補正方法が確立されている方法で行う | ○(適当) | 寸法が違えば結果も変わる |
超音波法は、コンクリートに超音波を入れて伝わる速さを測り、そこから強度を推定する方法です。ところがコンクリートの中には鉄筋が入っており、鉄筋はコンクリートと性質が違うため、測線上に鉄筋があると測定値が影響を受けます。したがって配筋状況を踏まえて測る場所を選ぶ必要があり、②の「配筋状況によらず任意の位置で実施することができる」は成り立ちません。
この問題は、①③④がそれぞれの手法の制約や前提を認めているのに対し、②だけが「影響を受けないので任意の位置でよい」と制約を消しています。非破壊試験は、対象に触れずに中身を推定する以上、必ず何らかの前提や誤差要因を抱えます。制約が無いと言い切る肢は疑うのが、この分野の問題の見分け方です。
①のリバウンドハンマは、表面をたたいた反発の程度から強度を推定するので、表層の含水状態や中性化の進み具合に左右されます。材齢が進んだコンクリートで精度良く推定するのが難しいのはこのためです。③の衝撃弾性波法は、弾性波の速度と強度の関係が材料や配合で変わるため、対象ごとに事前に関係を求めておきます。④の小径コアは、通常の直径100mmコアと寸法が違えば得られる強度も変わるので、補正方法が確立されている方法で行います。したがって適当なものは①③④で、正解は選択肢3です。
問題:超音波法によるコンクリートの強度推定は鉄筋の影響を受けないので、配筋状況によらず任意の位置で実施できる。
〇か×か。
答え:×
鉄筋の影響を受けます。配筋状況を踏まえて測定位置を選ぶ必要があります。
問題:衝撃弾性波法で強度を精度良く推定するには、対象のコンクリートごとに弾性波の速度と強度の関係を事前に求めておく。
〇か×か。
答え:〇
速度と強度の関係は材料や配合で変わるため、一律の式では推定できません。
出典・参考資料
※ 国土交通省「微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領」はPDFのため、本記事では要領の条項・数値には踏み込んでいません。問題文と①〜④の記述も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月
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