ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和6年度 1級土木施工管理技士 No.1を解説、土の構成模式図(湿潤密度・飽和度)

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.1は、土の構成模式図の記号を用いて、湿潤密度ρtと飽和度Srを求める式の組合せのうち、適当なものを選ぶ問題です。土全体の質量・体積と、間隙(すきま)の体積・水の体積の記号を、正しい式に当てはめられるかを見分けます。

この問題のポイント

湿潤密度ρtは、土全体の質量mを土全体の体積Vで割った値で、ρt=m/V。飽和度Srは、間隙の体積Vvに対する水の体積Vwの割合で、Sr=Vw/Vv×100。選択肢4がこの2つの式の組合せです。湿潤密度に水の質量mwを使ったり、飽和度の分母を間隙の体積Vvでなく全体積Vと取り違えていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢4(最も適当な組合せ)

土の構成と記号の意味

土は土粒子(固相)・水(液相)・空気(気相)の三相からできています。この三相を質量と体積の記号で表すと、次のようになります。図を思い浮かべなくても、記号の意味が分かれば式は組み立てられます。

区分質量の記号体積の記号
土全体m(全質量)V(全体積)
土粒子(固相)msVs
水(液相)mwVw
空気(気相)0(無視する)Va
間隙(水+空気)mwVv(=Vw+Va)

正しい式(記号の意味)

求める量正しい式記号の意味
湿潤密度 ρtρt = m / Vm=土全体の質量、V=土全体の体積
飽和度 SrSr = Vw / Vv ×100Vw=水の体積、Vv=間隙(水+空気)の体積

各選択肢の組合せ

選択肢(ρt / Sr)正誤解説
⑴ ρt=mw/V / Sr=Vw/Vv×100×(誤り)湿潤密度の分子は全質量mで、水の質量mwではない
⑵ ρt=mw/V / Sr=Vw/V×100×(誤り)湿潤密度の分子がmwで誤り、飽和度の分母も全体積Vで誤り
⑶ ρt=m/V / Sr=Vw/V×100×(誤り)飽和度の分母は間隙の体積Vvで、全体積Vではない
⑷ ρt=m/V / Sr=Vw/Vv×100○(正しい)湿潤密度も飽和度も記号が正しく対応している

選択肢4のポイント(ここが正しい)

湿潤密度は、土粒子・水・空気を含めた土全体の質量を、土全体の体積で割ったもので、ρt=m/V。分子は水だけの質量mwではなく、全体の質量mを使います。飽和度は、間隙(水と空気のすきま)の体積に占める水の体積の割合で、Sr=Vw/Vv×100。分母は間隙の体積Vvです。

飽和度Sr=Vw/Vv×100は分母が間隙の体積Vvで、間隙率n=Vv/V×100(分母は全体積V)と混同しやすいため、分母が全体積Vか間隙の体積Vvかで見分けます。したがって、湿潤密度ρt=m/V、飽和度Sr=Vw/Vv×100の組合せである選択肢4が適当です。

各指標の式(湿潤密度・飽和度・含水比・間隙比)

土の状態量は、同じ記号の組合せで似た式が並びます。分子と分母がどの量かで区別します。

指標意味
湿潤密度 ρtm / V土全体の質量を全体積で割る
飽和度 SrVw / Vv ×100間隙の体積に占める水の体積の割合
含水比 wmw / ms ×100土粒子の質量に対する水の質量の割合
間隙比 eVv / Vs土粒子の体積に対する間隙の体積の比

覚え方

  • 湿潤密度ρt=全質量m÷全体積V/飽和度Sr=水の体積Vw÷間隙の体積Vv×100
  • 湿潤密度は水だけの質量mwではなく、土全体の質量mを使う
  • 飽和度は分母が間隙の体積Vv、間隙率は分母が全体積V。分母で見分ける

理解度チェック

問題:飽和度Srは、間隙の体積Vvに対する水の体積Vwの割合で、Sr=Vw/Vv×100で表される。

〇か×か。

答え:

飽和度は間隙の体積Vvに対する水の体積Vwの割合です。分母が全体積Vになるのは別の指標なので、区別します。

問題:湿潤密度ρtは、水の質量mwを土全体の体積Vで割って求める。

〇か×か。

答え:×

湿潤密度は土全体の質量mを全体積Vで割ります(ρt=m/V)。水の質量mwではありません。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 土質力学(湿潤密度ρt=土全体の質量÷土全体の体積、飽和度Sr=水の体積÷間隙の体積×100、含水比w=水の質量÷土粒子の質量×100)

※ 問題文と図は転載していません。土の構成と各指標の定義は、土質力学の標準的な教科書等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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