令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.25は、コンクリート構造物の中性化による劣化とその特徴に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。中性化速度と乾燥・湿潤の関係、鉄筋腐食と滞水の関係、中性化深さと供用年数の関係、フェノールフタレイン溶液による調査という4つの記述を見分けます。
誤りは、中性化深さと年数の関係にあります。中性化深さは供用年数の平方根に比例して進み、これは√t則と呼ばれます。表面が中性化するほど二酸化炭素は奥へ届きにくくなるため、進行は年数とともに鈍っていきます。⑶は二乗に比例と書いており、年数が経つほど加速する形になってしまいます。平方根と二乗のすり替えを見抜けるかが問われます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 大気中の二酸化炭素による中性化は、乾燥・湿潤が繰り返される場合と比べて常時乾燥している場合の方が中性化速度は速い | ○(正しい) | 中性化は湿度が低いほど速く進む。細孔が水で満たされていると二酸化炭素が入りにくい |
| ⑵ 中性化と水の浸透に伴う鉄筋腐食は、乾燥・湿潤が繰り返される場合と比べて常時滞水している場合の方が腐食速度は遅い | ○(正しい) | 腐食には水と空気(酸素)の両方が要る。常時滞水では酸素が届きにくく腐食は進みにくい |
| ⑶ コンクリートの中性化深さは、一般的に構造物完成後の供用年数の二乗に比例すると考えて良い | ×(誤り) | 中性化深さは供用年数の二乗でなく平方根に比例する(√t則) |
| ⑷ 中性化深さの調査は、フェノールフタレイン溶液をコンクリート割裂面に噴霧し、コンクリート表面から、発色が認められない範囲までの深さを測定する | ○(正しい) | 赤紫に発色した部分がアルカリ性、発色しない部分が中性化した部分になる |
中性化は、大気中の二酸化炭素がコンクリート内部へ入り込み、水酸化カルシウムと反応してアルカリ性が失われていく劣化です。二酸化炭素は表面から順に奥へ進みますが、中性化した層が厚くなるほど、そこを通り抜けて未反応の部分に届くまでに時間がかかります。つまり進行は年数とともに鈍ります。
この関係が中性化深さは供用年数の平方根に比例する(√t則)という形で表されます。二乗に比例するなら年数が経つほど進行が加速することになり、実際の挙動と逆になります。⑴の中性化速度は湿度が低いほど速いという傾向、⑵の常時滞水では酸素が届きにくく鉄筋腐食が進みにくいという傾向、⑷のフェノールフタレイン溶液で発色しない範囲を中性化深さとする測定方法は、いずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢3です。
問題:コンクリートの中性化深さは、一般に供用年数の二乗に比例すると考えてよい。
〇か×か。
答え:×
供用年数の平方根に比例します(√t則)。中性化した層が厚くなるほど二酸化炭素が奥に届きにくく、進行は鈍っていきます。
問題:中性化深さの調査では、フェノールフタレイン溶液を噴霧し、赤紫に発色した範囲までの深さを中性化深さとする。
〇か×か。
答え:×
赤紫に発色した部分はアルカリ性が残っている部分です。表面から発色が認められない範囲までの深さが中性化深さになります。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。中性化の照査は、コンクリート標準示方書(維持管理編)・JIS A 1152 等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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