ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和6年度 1級土木施工管理技士 No.51を解説、軟弱地盤での上水道管布設

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.51は、軟弱地盤や液状化の恐れがある地盤における上水道管布設に関する記述のうち、適当なものを選ぶ問題です。継手の選び方、液状化が想定される場所の対策、沈下量の推定、軟弱層が深い場合の地盤改良という4つの記述のうち、正しいものは1つだけです。

この問題のポイント

正しいのは軟弱層が深い場合の対策で、薬液注入工法やサンドドレーン工法等で地盤そのものを改良します。誤りの3つは、継手に求める性能を逆にした点と、選ぶ対象を管径と書いた点です。地盤が動く場所で効くのは、管を太くすることでなく、変位に追従できる継手と管種の選定になります。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢4(最も適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 軟弱層が深く予想沈下量が大きい地盤に管を布設する場合は、伸縮可撓性が小さく、かつ離脱防止性能を持った継手を適所に用いることが望ましい×(誤り)沈下に追従させるには、伸縮可撓性が小さい継手でなく大きい継手を用いる
⑵ 液状化の可能性が高いと判定される場所では、適切な管径を選定するほか必要に応じ地盤改良等を行う×(誤り)選定するのは管径でなく、変位に追従できる管種と継手
⑶ 軟弱層が浅い地盤に管を布設する場合は、管の重量、管内水重、埋戻し土圧等を考慮して土圧増加分等を計算し、沈下量を推定した上で管径を選定する×(誤り)沈下量の推定までは正しいが、その結果で選ぶのは管径でなく管種
⑷ 軟弱層が深い地盤に管を布設する場合は、薬液注入工法、サンドドレーン工法等により地盤改良を行うことが必要である○(正しい)層が深く管側の工夫では追いつかない場合は、地盤側を改良する

選択肢4のポイント(ここが正しい)

軟弱層が深い地盤では、沈下量が大きく、範囲も広くなります。継手の伸縮や可撓だけで吸収しようとしても追いつかず、管路全体が不同沈下で傷みます。この場合は管側でなく地盤側に手を入れます。

軟弱層が深い地盤では、薬液注入工法やサンドドレーン工法等により地盤改良を行う。⑷はこの考え方を正しく述べています。⑴は継手の性能が逆で、予想沈下量が大きいなら伸縮可撓性の大きい継手を離脱防止性能とあわせて用います。⑵と⑶は選ぶ対象の取り違えで、地盤の変位に効くのは管径でなく管種と継手の選定です。管を太くしても、地盤が動けば継手部に無理がかかります。したがって適当なものは選択肢4です。

覚え方

  • 軟弱層が深い=地盤改良(薬液注入・サンドドレーン等)。浅い・局所なら管種と継手で対応
  • 沈下が大きい場所の継手は伸縮可撓性が大きく、離脱防止性能を持つもの
  • 地盤の変位に対して選ぶのは管径でなく管種(管径は流量で決まる)

理解度チェック

問題:予想沈下量が大きい地盤では、伸縮可撓性が小さく離脱防止性能を持った継手を用いることが望ましい。

〇か×か。

答え:×

伸縮可撓性が大きい継手を用います。沈下に追従できることと、抜け出さないことの両方が要ります。

問題:軟弱層が深い地盤に管を布設する場合は、薬液注入工法やサンドドレーン工法等により地盤改良を行うことが必要である。

〇か×か。

答え:

管側の工夫だけでは追いつかないため、地盤そのものを改良して沈下や液状化のリスクを下げます。

令和6年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 軟弱層が深い地盤での対応(軟弱層が深い地盤では、薬液注入工法やサンドドレーン工法などの地盤改良が必要):1級土木施工管理技士の過去問 令和6年度 問51

※ 問題文は転載していません。上水道管の布設は、水道施設設計指針等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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