令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.50は、鋼構造物塗装の施工管理に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。塗料の保管と開缶時の確認、攪拌、塗装間隔、乾燥不十分なまま塗り重ねた場合の欠陥という4つの記述を見分けます。
誤りは、乾燥が足りないまま塗り重ねたときに何が起きるかにあります。下層に残った溶剤は上に塗膜がかぶさると逃げ場を失い、あとから蒸発しようとして塗膜を押し上げます。ここで生じるのはふくれで、にじみは下層の成分が上層へ移って色が出る別の欠陥です。⑷が欠陥名を取り違えていないかが問われます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 塗料は、製造後長時間経過すると密封した缶内でも品質に変化が生じるので、開缶時に固化等の変状の有無を確認する必要がある | ○(正しい) | 缶を開けた時点で使えるかどうかを見る手順が要る |
| ⑵ 多液形塗料や高粘度塗料の攪拌は、塗料を均一化させ乾きむらを防止するため攪拌機を用いることが望ましい | ○(正しい) | 手撹拌では混ざりきらず、乾きむらの原因になる |
| ⑶ 塗り重ねる場合の塗装間隔は、付着性を良くし良好な塗膜を得るために重要な要素であり、塗料ごとに定められている | ○(正しい) | 短すぎても長すぎても付着性が落ちるため、塗料ごとに範囲がある |
| ⑷ 塗料の乾燥が不十分のうちに次層を塗り重ねると、下層塗膜中の溶剤の蒸発によって上層塗膜ににじみが生じることがある | ×(誤り) | 下層の溶剤が蒸発して生じるのはにじみでなくふくれ(泡)である |
塗料は塗ったあと、含まれる溶剤が抜けながら硬化していきます。下層がまだ乾ききらないうちに次の層をかぶせると、下に残った溶剤は表面から抜けられません。行き場を失った溶剤はあとから蒸発して上層の塗膜を押し上げます。
この結果上層塗膜に生じるのはにじみでなく、ふくれ(泡)です。にじみは、下層の塗膜や下地の成分が上層へ移って色が浮き出る別の欠陥で、原因も現れ方も違います。⑷は現象名を取り違えています。⑴の開缶時の変状確認、⑵の攪拌機による均一化、⑶の塗料ごとに定められた塗装間隔は、いずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢4です。
問題:乾燥が不十分のうちに次層の塗料を塗り重ねると、下層塗膜中の溶剤の蒸発によって上層塗膜ににじみが生じる。
〇か×か。
答え:×
生じるのはふくれ(泡)です。にじみは下層の成分が上層へ移って色が出る別の欠陥です。
問題:塗り重ねる場合の塗装間隔は、塗料ごとに定められている。
〇か×か。
答え:〇
付着性を良くし良好な塗膜を得るための重要な条件で、塗料ごとに範囲が決まっています。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。鋼構造物の塗装は、鋼道路橋防食便覧等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月