令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.49は、シールド工法の施工管理に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。密閉型シールドの計測値の変動、土圧式での掘削土砂の扱い、泥水式の泥水処理、テールボイド沈下という4つの記述を見分けます。
誤りは、土圧式シールドで掘削土砂に何を注入するかにあります。土圧式は掘削した土砂をカッターチャンバに満たし、その圧力で切羽を支える工法です。土砂がスクリューコンベヤで排出できるように、作泥土材(添加材)を注入して練り混ぜ、塑性流動性と止水性を与えます。⑵が水を注入すると書いており、そこが引っかけになります。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 密閉型シールドでは、土圧、排土量、シールドジャッキ推力等の計測値に急激な変動があった場合は、切羽の崩壊や土砂の取り込み過多等の発生が考えられる | ○(正しい) | 計測値の急変は切羽で起きている異常のサインになる |
| ⑵ 土圧式シールド工法において、粘着力が大きい土層を掘削する場合には、カッターチャンバ内に水を注入することにより掘削土砂の塑性流動性を高めることが必要である | ×(誤り) | 塑性流動性を高めるために注入するのは水でなく作泥土材(添加材) |
| ⑶ 泥水式シールド工法の泥水処理では、土砂を分離した余剰泥水は水や粘土、ベントナイト、増粘剤等を加えて比重、濃度、粘性等を調整して切羽に再循環される | ○(正しい) | 性状を調整して繰り返し使う循環方式になっている |
| ⑷ テールボイド沈下(隆起)は、シールドテールが通過した直後にテールボイドの発生による応力解放や過大な裏込め注入圧等が原因で発生する | ○(正しい) | すき間による応力解放で沈下、注入圧が過大なら隆起になる |
土圧式シールドは、カッターで切削した土砂をチャンバ内に満たし、その土圧で切羽の土水圧と釣り合わせて安定させます。この土砂はスクリューコンベヤで連続して排出するため、圧力がかかっても流れる性質と、水を通しにくい性質の両方が要ります。掘った土がそのままでこの性質を持つとは限りません。
そこでカッターで切削した土砂に作泥土材を注入し、練り混ぜて塑性流動性と不透水性を持つ泥土に変換します。注入するのは水でなく作泥土材(添加材)で、⑵はここを取り違えています。水を入れれば流動性は上がっても、止水性が失われ、切羽の安定を保てません。⑴の計測値の急変が切羽の異常を示すこと、⑶の余剰泥水の性状を調整して切羽へ再循環すること、⑷のテールボイド沈下(隆起)の原因は、いずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢2です。
問題:土圧式シールドで粘着力が大きい土層を掘削する場合は、カッターチャンバ内に水を注入して塑性流動性を高める。
〇か×か。
答え:×
注入するのは作泥土材(添加材)です。練り混ぜて塑性流動性と不透水性を持つ泥土に変えます。
問題:密閉型シールドで土圧や排土量、シールドジャッキ推力の計測値が急激に変動した場合、切羽の崩壊や土砂の取り込み過多が考えられる。
〇か×か。
答え:〇
見えない切羽の状態を計測値から読むため、急変は異常のサインとして扱います。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。シールド工法の施工管理は、トンネル標準示方書(シールド工法)・同解説等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月