ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和6年度 1級土木施工管理技士 No.53を解説、小口径管推進工法の施工

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.53は、下水道工事における小口径管推進工法の施工に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。滑材の注入、推進管理測量の方式、先導体の曲進、到達時の鏡切りという4つの記述を見分けます。

この問題のポイント

誤りは、液圧差レベル方式で何を管理するかにあります。この方式は先導体と発進立坑の液圧の差から高さを求めるもので、管理できるのは鉛直方向です。水平方向の位置は別の方法で押さえます。⑵が方向を取り違えていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 滑材の注入にあたっては、滑材吐出口の位置が先導体後部及び発進坑口止水器部に限定されるので、推進開始から推進力の推移をみながら厳密に管理して注入を行う○(正しい)注入できる場所が限られるため、推進力の変化を見ながら管理する
⑵ 推進管理測量で、水平方向については先導体と発進立坑の水位差で管理する液圧差レベル方式を用いることで、リアルタイムに比較的高精度の位置管理が可能となる×(誤り)液圧差レベル方式で管理できるのは水平方向でなく鉛直方向
⑶ 先導体を曲進させる際には、機構を簡易なものとするために全断面を掘削し、外径を大きくする方法を採用するのが一般的である○(正しい)全断面を掘って余裕を作り、簡単な機構で向きを変える
⑷ 先導体の到達にあたっては、位置を確認し、地山の土質、補助工法の効果の状況、湧水の状態等に留意し、その対策を施してから到達の鏡切りを行う○(正しい)鏡を切った瞬間に土砂や水が出るため、対策を済ませてから行う

選択肢2のポイント(ここが誤り)

推進管理測量では、先導体が計画の線形からどれだけずれているかを、水平方向と鉛直方向の両方で押さえます。液圧差レベル方式は、先導体内と発進立坑内の液圧の差を測って高さの差を求める方法です。液圧は深さに応じて変わるため、読み取れるのは高さになります。

したがって液圧差レベル方式で管理できるのは水平方向でなく鉛直方向です。⑵はこの方向を取り違えています。⑴の滑材の吐出口が限られるため推進力の推移を見ながら注入を管理すること、⑶の曲進で全断面を掘削し外径を大きくする方法が一般的であること、⑷の到達前に土質や湧水の状況へ対策を施してから鏡切りを行うことは、いずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢2です。

覚え方

  • 液圧差レベル方式=鉛直方向(高さ)の管理。水平方向ではない
  • 滑材の吐出口は先導体後部と発進坑口止水器部に限定。推進力の推移で注入を管理
  • 曲進は全断面掘削で外径を大きくする/到達前に湧水・土質の対策を施してから鏡切り

理解度チェック

問題:液圧差レベル方式は、水平方向の位置をリアルタイムに高精度で管理する方法である。

〇か×か。

答え:×

管理できるのは鉛直方向です。先導体と発進立坑の液圧の差から高さを求める方法だからです。

問題:先導体の到達にあたっては、地山の土質や湧水の状態等に留意し、対策を施してから到達の鏡切りを行う。

〇か×か。

答え:

鏡を切ると土砂や水が坑内へ出るため、補助工法の効果を確かめて対策を済ませてから行います。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 液圧差レベル方式の管理方向(「水平方向」ではなく、「鉛直方向」である)と曲進の方法(「曲線部内側を掘削し」ではなく、「全断面を掘削し」である):土木施工管理技士 受験対策資料「小口径管推進工法」

※ 問題文は転載していません。小口径管推進工法の施工は、下水道推進工法の指針と解説等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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