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令和6年度 1級土木施工管理技士 No.57を解説、統括安全衛生責任者の統括管理

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.57は、事業者が統括安全衛生責任者に統括管理させなければならない事項のうち、労働安全衛生法上誤っているものを選ぶ問題です。作業間の連絡及び調整、協議組織の設置及び運営、安全衛生教育に対する指導及び援助、作業場所の巡視という4つの事項を見分けます。

この問題のポイント

誤りは、教育の指導及び援助が誰の行う教育を対象にしているかにあります。法が定めるのは関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助です。元請と下請が混在する現場で、下請側の教育を後押しする趣旨になります。⑶が衛生管理者が行う教育と書き換えていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 作業間の連絡及び調整を行うこと○(正しい)混在作業の危険を防ぐ中心となる事項
⑵ 協議組織の設置及び運営を行うこと○(正しい)元請と関係請負人が集まる場を設けて運営する
⑶ 衛生管理者が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと×(誤り)対象は衛生管理者でなく、関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育
⑷ 作業場所の巡視をすること○(正しい)現場を回って危険の有無を確かめる

選択肢3のポイント(ここが誤り)

統括安全衛生責任者は、元請と複数の下請が同じ場所で作業する現場で、全体をまとめて安全衛生を管理する立場です。統括管理する事項は労働安全衛生法第30条第1項に並んでおり、協議組織の設置及び運営、作業間の連絡及び調整、作業場所の巡視などが挙げられています。

教育に関する事項もそこに含まれますが、対象は関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助です。⑶は衛生管理者が行う教育と書いており、条文の対象を入れ替えています。衛生管理者は事業場ごとに選任され、その事業場の衛生管理を担う立場で、統括管理の対象として並ぶ相手ではありません。⑴の作業間の連絡及び調整、⑵の協議組織の設置及び運営、⑷の作業場所の巡視は、いずれも正しい記述です。したがって誤っているものは選択肢3です。

覚え方

  • 教育の指導及び援助の対象は関係請負人が行う教育(衛生管理者ではない)
  • 統括管理の柱=協議組織の設置及び運営/作業間の連絡及び調整/作業場所の巡視
  • 統括安全衛生責任者は混在作業の現場全体をまとめる立場。事業場ごとの衛生管理者とは役割が別

理解度チェック

問題:統括安全衛生責任者が統括管理する事項には、衛生管理者が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助が含まれる。

〇か×か。

答え:×

対象は関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育です。

問題:協議組織の設置及び運営を行うことは、統括安全衛生責任者に統括管理させる事項である。

〇か×か。

答え:

作業間の連絡及び調整、作業場所の巡視とあわせて、統括管理する事項に挙げられています。

令和6年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 統括安全衛生責任者が統括管理する事項(協議組織の設置及び運営/作業間の連絡及び調整/作業場所の巡視/関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助 等):厚生労働省 職場のあんぜんサイト「統括安全衛生責任者」

※ 問題文は転載していません。条文は e-Gov 法令検索等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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