令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.59は、元請負人の義務に関する記述のうち、建設業法上誤っているものを選ぶ問題です。前払金の配慮、下請負人の意見の聴取、検査後の引渡し、出来形部分に対する支払という4つの規定が並びます。
誤りは、完成を確認したあとの引渡しの時期にあります。下請負人が申し出たときは、元請負人は直ちに目的物の引渡しを受けなければなりません。1月以内という期限は、出来形部分に対する支払を受けたときの下請代金の支払に出てくる数字です。⑶が別々の規定の期限を持ち込んでいないかが問われます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない | ○(正しい) | 受け取った前払金を下請の着手資金にも回すよう配慮する |
| ⑵ 元請負人は、工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ下請負人の意見をきかなければならない | ○(正しい) | 実際に施工する下請の事情を先に聞く |
| ⑶ 元請負人は、検査によって完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、特約がされている場合を除いて、申し出を受けた日から1月以内に目的物の引渡しを受けなければならない | ×(誤り) | 引渡しは1月以内でなく、申出があれば直ちに受けなければならない |
| ⑷ 元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払を受けたときは、施工した下請負人に対して下請代金の一部を、支払を受けた日から1月以内で、かつできる限り短い期間内に支払わなければならない | ○(正しい) | こちらは1月以内。支払と引渡しで期限が違う |
建設業法は、下請負人が仕事を終えたあとの手続に期限を設けています。完成の通知を受けたら20日以内でできる限り短い期間内に検査を終え、その検査で完成を確認した後、下請負人が申し出たときは直ちに目的物の引渡しを受けなければならない。⑶はこれを1月以内としており、期限が緩みます。引渡しが遅れれば下請の管理責任や保管の負担が続くため、直ちにと定められています。
なお、この規定には下請契約で工事完成の時期から20日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がある場合の例外があります。⑷の1月以内は、請負代金の出来形部分に対する支払を受けたときの下請代金の支払の期限で、別の規定です。⑴の前払金への配慮、⑵の下請負人の意見の聴取も正しい記述です。したがって誤っているものは選択肢3です。
問題:元請負人は、検査で完成を確認した後、下請負人の申出を受けた日から1月以内に目的物の引渡しを受ければよい。
〇か×か。
答え:×
申出があれば直ちに引渡しを受けなければなりません(特約がある場合を除く)。1月以内は下請代金の支払の期限です。
問題:元請負人は、工程の細目や作業方法を定めようとするときは、あらかじめ下請負人の意見をきかなければならない。
〇か×か。
答え:〇
実際に施工する下請負人の事情を反映させるための規定です。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。条文は e-Gov 法令検索等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月