令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.60は、建設工事の請負契約に関する記述のうち、建設業法上誤っているものを選ぶ問題です。契約書面の作成と交付、不当に低い請負代金の禁止、見積りの内訳、注文者が見積りのために提示する事項という4つの規定が並びます。
誤りは、注文者が契約締結前や入札前に提示すべき事項の中身にあります。提示するのは工事内容や工事着手・完成の時期など、契約書面に書く事項のうち請負代金の額を除いたものです。代金は見積りを経て決まる金額なので、注文者があらかじめ示す対象になりません。⑷が請負代金の額を提示事項に含めていないかが問われます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 契約当事者は、締結時に価格変動や工事内容の変更に関する事項等を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない | ○(正しい) | 請負契約は書面で、当事者が相互に交付する |
| ⑵ 注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、施工に必要な原価に満たない金額を請負代金の額とする契約を締結してはならない | ○(正しい) | 不当に低い請負代金の禁止 |
| ⑶ 建設業者は、材料費・労務費その他の経費の内訳並びに工程ごとの作業及びその準備に必要な日数を明らかにして、建設工事の見積りを行うよう努めなければならない | ○(正しい) | 内訳と日数を明らかにする見積りの努力義務 |
| ⑷ 注文者は、契約を締結する以前又は入札を行う以前に、工事内容、請負代金の額、工事着手の時期及び工事完成の時期等について、できる限り具体的な内容を提示しなければならない | ×(誤り) | 提示する事項から請負代金の額は除かれる。工事内容や着手・完成の時期等を示す |
建設業法は、見積りを適正に行えるようにするため、注文者に対して、随意契約なら契約を締結するまでに、入札なら入札を行うまでに、契約書面の記載事項について具体的な内容を提示するよう求めています。ただしその対象は、契約書面の記載事項のうち請負代金の額を除いたものです。
金額は、提示された工事内容や工期をもとに建設業者が見積り、契約の段階で決まります。注文者があらかじめ具体的な額を示す仕組みではないため、⑷は提示事項の範囲を広げすぎています。⑴の書面による契約と相互交付、⑵の不当に低い請負代金の禁止、⑶の内訳と日数を明らかにする見積りの努力義務は、いずれも正しい記述です。したがって誤っているものは選択肢4です。
問題:注文者は、契約締結前又は入札前に、請負代金の額についてもできる限り具体的な内容を提示しなければならない。
〇か×か。
答え:×
提示する事項からは請負代金の額が除かれます。工事内容や工事着手・完成の時期等を示します。
問題:注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、施工に必要な原価に満たない金額で請負契約を締結してはならない。
〇か×か。
答え:〇
不当に低い請負代金の禁止として定められています。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。条文は e-Gov 法令検索等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月