令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.13は、コンクリート構造物の解体作業に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。転倒方式、カッタ、圧砕機及び大型ブレーカ、ウォータージェットという4つの取壊し方法について、加力の仕方や冷却水・コンクリート片の飛散防止、作業員の配置、防音対策が正しく書かれているかを見分けます。
コンクリート構造物の解体は、取壊し方法ごとに安全上の勘どころが変わります。誤りは選択肢⑴で、転倒方式の加力の仕方を逆にしています。転倒方式は、独立させた主構造部に複数本の引きワイヤを取り付け、計画した方向へ一度の加力で一気に転倒させる方法です。選択肢⑴は複数回の荷重で徐々に転倒させなければならない、と読ませて引っかけます。⑵〜⑷のカッタ、圧砕機及び大型ブレーカ、ウォータージェットの記述は、いずれも飛散防止や作業員の安全配置、防音対策として正しい内容です。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(適当でない記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 転倒方式による取壊しでは、主構造部に複数本の引きワイヤを堅固に取り付け、引きワイヤで加力する際は、複数回の荷重で徐々に転倒させなければならない | ×(適当でない) | 転倒方式は計画した方向へ一度の加力で一気に転倒させる方法で、複数回の荷重で徐々に転倒させるのではない |
| ⑵ カッタによる取壊しでは、撤去側躯体ブロックへのカッタ取付けを禁止するとともに、切断面付近にシートを設置して冷却水の飛散防止を図る | ○(正しい) | 切断側にカッタを付けず、切断面付近にシートを張って冷却水の飛散を防ぐ記述で正しい |
| ⑶ 圧砕機及び大型ブレーカによる取壊しでは、コンクリート片の飛散、構造物の倒壊範囲を予測し、作業員、建設機械を安全な作業位置に配置する | ○(正しい) | コンクリート片の飛散や倒壊範囲を予測し、作業員・建設機械を安全な位置に配置する記述で正しい |
| ⑷ ウォータージェットによる取壊しでは、病院、民家等が隣接している場合にはノズル付近に防音カバーを使用したり、周辺に防音シートによる防音対策を実施する | ○(正しい) | 高圧水による騒音に対し、ノズル付近の防音カバーや周辺の防音シートで防音対策を行う記述で正しい |
転倒方式は、解体する壁や柱などの主構造部を独立させ、その上部に複数本の引きワイヤを堅固に取り付けます。下部のコンクリートを縁切りして鉄筋を切断したうえで、引きワイヤに加力し、計画した方向へ倒します。引きワイヤの取付けと加力の準備までは選択肢⑴のとおりで正しい内容です。⑴が誤るのは、その加力の仕方を複数回の荷重で徐々に転倒させなければならない、としている点です。転倒方式は計画した方向へ一度の加力で一気に転倒させる方法であり、複数回の荷重で徐々に転倒させるのではありません。
引きワイヤに繰り返し荷重をかけて少しずつ揺すると、構造物が予定外の方向に倒れたり、加力の途中で急に倒れたりするおそれがあります。倒れる瞬間を制御できず、作業員や建設機械の退避が間に合わない危険にもつながります。計画した方向へ一度で倒し切ることが、転倒方式の安全の要です。⑵〜⑷は、カッタの取付け位置と冷却水の飛散防止、圧砕機及び大型ブレーカでのコンクリート片の飛散・倒壊範囲の予測と安全な配置、ウォータージェットでの防音対策という、それぞれの取壊し方法に応じた安全対策で正しい記述です。
問題:転倒方式による取壊しでは、主構造部に複数本の引きワイヤを堅固に取り付け、引きワイヤで加力する際は、複数回の荷重で徐々に転倒させなければならない。
〇か×か。
答え:×
転倒方式は、計画した方向へ一度の加力で一気に転倒させます。複数回の荷重で徐々に、あるいは繰り返し揺すると、構造物が予定外の方向に倒れたり急に倒れたりするおそれがあり危険です。
問題:ウォータージェットによる取壊しでは、病院、民家等が隣接している場合には、ノズル付近に防音カバーを使用したり、周辺に防音シートによる防音対策を実施する。
〇か×か。
答え:〇
ウォータージェットは高圧水で騒音を伴うため、病院や民家が隣接する場合はノズル付近の防音カバーや周辺の防音シートで防音対策を行います。正しい記述です。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。条文は e-Gov 法令検索の労働安全衛生規則で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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