ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度 1級土木施工管理技士 問題B No.22を解説、関係機関への届出先

令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.22は、工事の施工に伴う関係機関への届出に関する問題です。①〜④の記述のうち、届出先として適当なものの数を選びます(⑴1つ/⑵2つ/⑶3つ/⑷4つ)。それぞれの作業の説明は正しく書かれていても、届け出る相手が入れ替わっていないかを見分けます。

この問題のポイント

関係機関への届出は、作業の内容が正しく書かれていても、届け出る相手が入れ替わっていれば不適当になります。①〜④のうち届出先として適当なものの数を選ぶ問題で、適当なのは労働基準監督署長に計画を届け出る②だけです。①③④はいずれも作業の説明は正しく、届出先だけを都道府県知事・市町村長・警察署長にすり替えてあります。作業の中身でなく、誰に届け出るかで正誤が分かれます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢1(届出先として適当なものは②の1つ)

各記述の正誤

記述正誤正しい届出先と根拠
① 騒音規制法の指定地域内で特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、都道府県知事に届け出る×(誤り)特定建設作業の実施の届出先は市町村長(騒音規制法第14条)。都道府県知事ではない
② つり足場、又は張出し足場の組立てから解体までの期間が60日以上となる場合は、労働基準監督署長に計画を届け出る○(正しい)労働安全衛生法第88条の機械等設置届にあたり、届出先は所轄の労働基準監督署長で正しい
③ ガス溶接作業で圧縮アセチレンガスを40kg以上貯蔵し、又は取り扱う者は、あらかじめ市町村長に届け出る×(誤り)届出先は消防長又は消防署長(消防法第9条の3)。市町村長ではない
④ 型枠支保工の支柱の高さが3.5m以上のコンクリート構造物の工事現場の場合は、警察署長に計画を届け出る×(誤り)労働安全衛生法第88条の機械等設置届にあたり、届出先は労働基準監督署長。警察署長ではない

誤っている①③④の届出先

①の特定建設作業は、指定地域内で騒音を伴う建設工事を施工する者が、作業開始の7日前までに市町村長へ届け出ます(騒音規制法第14条)。都道府県知事ではありません。振動規制法にもとづく特定建設作業も、同じく市町村長への届出です。身近な生活環境の騒音・振動を監督するのが市町村なので、届出先も市町村長になります。

③の圧縮アセチレンガスは、40kg以上を貯蔵し、又は取り扱う者が、あらかじめ消防長又は消防署長へ届け出ます(消防法第9条の3)。市町村長ではありません。火災予防や消火活動に支障を生じるおそれのある物質を扱う届出なので、消防の側が受け取ります。

④の型枠支保工は、支柱の高さが3.5m以上のものを設置する場合、労働安全衛生法第88条の機械等設置届として、工事開始の30日前までに労働基準監督署長へ届け出ます。

警察署長ではありません。

②のつり足場・張出し足場(設置期間60日以上)も同じ機械等設置届で、届出先は労働基準監督署長です。

労働者の安全にかかわる設備の届出は労働基準監督署長がまとめて受け取る、と押さえると②と④の差がつながります。

警察署長へ届け出る(許可を受ける)のは道路交通法にもとづく道路の使用で、型枠支保工の計画ではありません。

主要な届出・許可と届出先

届出先を問う問題は、作業の内容でなく相手先で正誤が決まります。土木の現場で必要になる届出・許可と、その相手先を並べておきます。

届出・許可の内容根拠法届出・申請先
特定建設作業(騒音・振動を伴う建設作業)の実施騒音規制法・振動規制法市町村長
圧縮アセチレンガス40kg以上の貯蔵又は取扱いの開始消防法消防長又は消防署長
型枠支保工(支柱の高さ3.5m以上)、つり足場・張出し足場(60日以上)などの機械等設置労働安全衛生法(第88条)労働基準監督署長
道路の使用(工事・作業のために道路を使う)道路交通法警察署長
道路の占用(道路に工作物・施設を設ける)道路法道路管理者

覚え方

  • 特定建設作業(騒音・振動)は市町村長、圧縮アセチレンガス40kg以上は消防長又は消防署長、足場・型枠支保工は労働基準監督署長
  • 型枠支保工は支柱の高さ3.5m以上、つり足場・張出し足場は設置期間60日以上が届出の対象
  • 警察署長へ届け出る(許可を受ける)のは道路の使用(道路交通法)、道路の占用は道路管理者(道路法)
  • 届出先を問う問題は、作業の内容が正しくても相手先がずれていれば不適当

理解度チェック

問題:騒音規制法の指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、都道府県知事に届け出なければならない。

〇か×か。

答え:×

特定建設作業の実施の届出先は市町村長です(騒音規制法第14条)。振動規制法にもとづく特定建設作業も同じく市町村長へ届け出ます。都道府県知事ではありません。

問題:型枠支保工の支柱の高さが3.5m以上となる工事では、その計画を労働基準監督署長に届け出なければならない。

〇か×か。

答え:

支柱の高さが3.5m以上の型枠支保工は、労働安全衛生法第88条の機械等設置届にあたり、工事開始の30日前までに所轄の労働基準監督署長へ届け出ます。つり足場・張出し足場(設置期間60日以上)も同じく労働基準監督署長への届出です。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法・応用能力) 問題」
  • 騒音規制法 第14条(特定建設作業の実施の届出):指定地域内で特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、作業開始の日の7日前までに市町村長に届け出なければならない。振動規制法 第14条も同旨で届出先は市町村長。
  • 消防法 第9条の3(圧縮アセチレンガス等の貯蔵又は取扱いの届出):圧縮アセチレンガス(40kg以上)等を貯蔵し、又は取り扱う者は、あらかじめその旨を所轄の消防長又は消防署長に届け出なければならない。
  • 労働安全衛生法 第88条(計画の届出等)・労働安全衛生規則 別表:型枠支保工(支柱の高さ3.5m以上)、つり足場・張出し足場(設置期間60日以上)などの機械等設置届は、工事開始の30日前までに所轄の労働基準監督署長に届け出る。

※ 問題文は転載していません。条文は e-Gov 法令検索の騒音規制法・振動規制法・消防法・労働安全衛生法で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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