ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度 1級土木施工管理技士 問題B No.26を解説、品質・工程・原価の関係

令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.26は、工事の工程管理を行う上での品質・工程・原価の関係について、文章の空欄(イ)〜(ニ)に当てはまる語句の組合せを選ぶ、語句の穴埋め・組合せ型の問題です。四つの組合せ⑴〜⑷から、四つの空欄がすべて正しく埋まる組合せを一つ選びます。

この問題のポイント

品質・工程・原価は互いに相反する性質を持ちます。施工を速めると単位数量当たりの原価はいったん安くなりますが、突貫作業になるほど極度に速めると人件費や機械費がかさんで原価は逆に高くなります。品質の良いものは時間も原価もかかり、突貫で速めると品質は悪くなります。三者は同じ方向には動かず調整が必要という関係が、そのまま四つの空欄の答えになります。引っかけは、原価が「ますます安く」下がり続ける、三者は「同じような」性質を持つ、と読ませて、相反する関係を見落とさせる点にあります。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(適当な語句の組合せ)

各空欄に入る語句

空欄入る語句なぜその語句か
(イ)工程と原価逆に高く施工を速めると原価は安くなるが、さらに速めて突貫作業になると人件費・機械費がかさみ、原価は逆に高くなる
(ロ)原価と品質高く品質の悪いものは原価が安くできるが、良いものは手間と材料がかかり原価は高くなる
(ハ)品質と工程悪くなる品質の良いものは時間がかかり、施工を速めて突貫作業をすると品質は悪くなる
(ニ)三者の関係相反する品質・工程・原価は同じ方向には動かず相反する性質があるため、調整を図りながら計画する

選択肢⑴〜⑷の組合せ

組合せ(イ)工程と原価(ロ)原価と品質(ハ)品質と工程(ニ)三者の関係判定
ますます安く高くかわらない相反する×
逆に高く高く悪くなる相反する
逆に高くさらに安く悪くなる同じような×
ますます安くさらに安くかわらない同じような×

選択肢2が正しい組合せになる理由

工程と原価の関係は一直線ではありません。ゆっくり作業すると手待ちや無駄が多く原価は高く、施工を速めるにつれ原価は安くなりますが、突貫作業になるほど極度に速めると班を増やし大型機械を使うため人件費・機械費がかさみ、原価は逆に高くなります。品質と工程では、品質の良いものは時間がかかり、施工を速めて突貫作業をすると品質は悪くなるため、(ハ)は「かわらない」ではありません。そして品質・工程・原価はそれぞれ相反する性質があるので、(ニ)は「同じような」ではなく相反するが入ります。

⑴は(イ)を「ますます安く」として原価が下がり続けるとしており、突貫での逆転を見落としています。⑶と⑷は(ロ)を「さらに安く」、(ニ)を「同じような」とし、品質を良くすれば原価が高くなること、三者が相反することに反します。四つの空欄がすべて正しく並ぶのは⑵だけです。

品質・工程・原価の相反関係

三つの関係を一つずつ切り出すと、どこで語句が逆転するかが整理できます。

関係内容
工程と原価施工を速めると原価は安くなるが、突貫作業まで速めると原価は逆に高くなる(U字型)
原価と品質品質の悪いものは原価が安く、良いものは原価が高くなる
品質と工程品質の良いものは時間がかかり、突貫作業で速めると品質は悪くなる

一方を追えば他方が悪化するため、三者は単独では計画できません。工期を守り、品質を保ちながら原価を抑えるには、この相反する関係の調整を図る必要があります。

覚え方

  • 品質・工程・原価は相反する。一方を追えば他方が悪化するので調整して計画する
  • 施工を速めると原価は安くなるが、突貫作業まで速めると原価は逆に高くなる(U字型)
  • 品質を良くすると原価は高くなり、突貫で速めると品質は悪くなる
  • 「ますます安く」「さらに安く」「かわらない」「同じような」は相反関係を打ち消す引っかけ語句

理解度チェック

問題:工程と原価の関係では、施工を速めるほど単位数量当たりの原価はますます安くなり続ける。

〇か×か。

答え:×

施工を速めると原価はいったん安くなりますが、突貫作業になるほど極度に速めると人件費や機械費がかさみ、原価は逆に高くなります。下がり続けるわけではありません。

問題:品質・工程・原価はそれぞれ相反する性質があるため、調整を図りながら計画する必要がある。

〇か×か。

答え:

品質を良くすると原価が高く時間もかかり、原価を切り詰めると品質が落ちるなど、三者は同じ方向には動きません。工期を守り品質を保ちながら原価を抑えるには、相反する関係の調整が必要です。

令和7年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法・応用能力) 問題」
  • 品質・工程・原価の相反関係:施工速度を速めると原価は安くなるが、突貫工事のように急激に速めると人件費・労務費がかさみ原価は高くなる。品質の悪いものは原価が安く、良いものは原価が高い。突貫で速めると品質は悪くなる。三者は相反する性質があるため調整を図りながら管理する。(施工管理の原価管理・工程管理の技術資料 等)

※ 問題文は転載していません。品質・工程・原価の相反関係は、施工管理の工程管理・原価管理を解説する技術資料等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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