令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.31は、酸素欠乏症等のおそれのある工事で事業者が講じるべき措置に関する問題です。①〜④の記述のうち、酸素欠乏症等防止規則上、正しいものの数を選びます(⑴1つ/⑵2つ/⑶3つ/⑷4つ)。どれも規則の条文をなぞった記述ですが、1つだけ入退場のときに点検する対象がすり替えてあります。
酸欠作業の措置は、空気呼吸器等の備え付け・入退場の点検・立入禁止・濃度測定の4つから出ています。
問われるのは、入退場のときに何を点検するかです。
引っかけは、そこだけ点検の対象をすり替えてあります。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(正しいものは①③④の3つ)
| 記述 | 正誤 | 正誤の根拠 |
|---|---|---|
| ① 酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合で、爆発・酸化等を防止するため換気できない場合、又は作業の性質上換気が著しく困難な場合は、同時に就業する労働者の人数と同数以上の空気呼吸器等を備え、労働者に使用させる | ○(正しい) | 換気できない・著しく困難な場合の空気呼吸器等の備え付けと使用は、酸素欠乏症等防止規則第5条の2。記述のとおり |
| ② 酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、労働者を当該作業を行う場所に入場・退場させるときに、保護具を点検しなければならない | ×(誤り) | 入場・退場させるときに点検するのは人員(人数の確認)であり(酸素欠乏症等防止規則第8条)、保護具を点検とするのは誤り |
| ③ 酸素欠乏危険場所又はこれに隣接する場所で作業を行うときは、酸素欠乏危険作業に従事する労働者以外の者が当該酸素欠乏危険場所に立ち入ることを禁止し、その旨を見やすい箇所に表示する | ○(正しい) | 関係者以外の立入禁止と見やすい箇所への表示は、酸素欠乏症等防止規則第9条。記述のとおり |
| ④ 第二種酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、その日の作業を開始する前に、空気中の酸素及び硫化水素の濃度を測定する | ○(正しい) | 作業開始前の測定で、第二種は酸素及び硫化水素の濃度を測る(酸素欠乏症等防止規則第3条)。記述のとおり |
入場・退場のときに事業者がしなければならないのは、人員の点検です(酸素欠乏症等防止規則第8条)。
誰が中で作業しているか、全員が出たかを人数で把握し、倒れた人が場内に取り残されるのを防ぐための確認です。
②はこの対象を保護具の点検にすり替えています。
空気呼吸器等は、換気できない場合に人数と同数以上を備えて使わせる別の義務(第5条の2)で、入退場に点検する対象ではありません。
酸欠作業の措置は、防ぐ場面ごとに条文が分かれています。測定では空気中の酸素を18%以上に保てるかを確かめ、第二種では硫化水素も測ります。主な措置と根拠条文を並べておきます。
| 場面・措置 | 内容 | 根拠(酸素欠乏症等防止規則) |
|---|---|---|
| 作業開始前の測定 | その日の作業を開始する前に空気中の酸素の濃度を測定。第二種は酸素及び硫化水素の濃度を測定 | 第3条 |
| 換気 | 酸素18%以上(第二種は硫化水素を10ppm以下)を保つよう換気する | 第5条 |
| 空気呼吸器等の備え付け | 換気できない・著しく困難な場合、人数と同数以上の空気呼吸器等を備え、労働者に使用させる | 第5条の2 |
| 人員の点検 | 労働者を作業場所に入場・退場させるときに人員を点検する | 第8条 |
| 立入禁止・表示 | 作業従事者以外の者の立入りを禁止し、その旨を見やすい箇所に表示する | 第9条 |
問題:酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、労働者を当該作業を行う場所に入場・退場させるときに、保護具を点検しなければならない。
〇か×か。
答え:×
入場・退場させるときに点検するのは人員(人数の確認)です(酸素欠乏症等防止規則第8条)。保護具を点検とするのは誤りで、空気呼吸器等の備え付けと使用は換気できない場合の別の措置(第5条の2)です。
問題:第二種酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、その日の作業を開始する前に、空気中の酸素及び硫化水素の濃度を測定しなければならない。
〇か×か。
答え:〇
酸素欠乏症等防止規則第3条にあたります。作業開始前の測定で、第一種は空気中の酸素の濃度、第二種は酸素及び硫化水素の濃度を測ります。第二種で硫化水素が加わる点を押さえます。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。条文は e-Gov 法令検索の酸素欠乏症等防止規則で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月