令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.40は、トンネルの山岳工法における掘削工法の記述のうち、適当なものを選ぶ問題です。ベンチカット工法・全断面工法・補助ベンチ付き全断面工法・側壁導坑先進工法の適用条件が正しく述べられているかを見分けます。
掘削工法は、掘る断面の大きさと地山の良し悪しで選び分けます。
問われるのは、地山が悪くなったときに断面やベンチ長をどちらへ動かすかという向きです。
引っかけは、その向きを逆にする形で誤りの3肢に仕込まれています。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢⑶(適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ ベンチカット工法は、一般に上部半断面と下部半断面に分割して掘削する工法であり、地山が不良な場合にはベンチ長を長くする | ×(誤り) | 地山が不良なほどベンチ長は短くして支保工を早く閉合し、切羽の安定を図る |
| ⑵ 全断面工法は、小断面のトンネルや地質の安定した地山で採用され、施工途中での地山条件の変化に対する順応性が高い | ×(誤り) | 一度に大きな断面を掘るため、地山条件の変化への順応性は低い |
| ⑶ 補助ベンチ付き全断面工法は、全断面工法では施工が困難となる地山において、ベンチを付けて切羽の安定を図る | ○(正しい) | 全断面では保てない切羽をベンチで安定させる、が正しい |
| ⑷ 側壁導坑先進工法は、側壁脚部の地盤支持力が十分にある場合に適用される | ×(誤り) | 脚部の地盤支持力が不足する場合などに採用される |
⑴ ベンチカット工法は上部半断面と下部半断面に分けて掘り進めます。地山が不良なときはベンチ長を短くして支保工を早く閉合し、切羽の安定を確保するのが原則です。「長くする」は方向が逆で、ベンチが長いと切羽が自立する時間が延びて不安定になります。
⑵ 全断面工法は切羽の全断面を一度に掘るため、施工途中での地山条件の変化に対する順応性は低いです。小断面のトンネルや、地質の安定した良好な地山で採用する工法で、条件が急に悪化しても掘り方を切り替えにくいのが弱点です。「順応性が高い」は逆になります。
⑷ 側壁導坑先進工法は、まず両側の側壁部を先進導坑で掘って側壁コンクリートを築いてから上半・下半を掘る工法で、側壁脚部の地盤支持力が不足する場合や、土被りの小さい土砂地山で地表面沈下を抑える必要がある場合に採用します。「十分にある場合」は逆で、脚部が弱いからこそ先に側壁で支持を確保します。
問題:全断面工法は、施工途中での地山条件の変化に対する順応性が高い。
〇か×か。
答え:×
全断面工法は切羽の全断面を一度に掘るため、地山条件の変化への順応性は低いです。小断面や安定した地山で採用します。
問題:側壁導坑先進工法は、側壁脚部の地盤支持力が不足する場合などに採用される。
〇か×か。
答え:〇
脚部の支持力が不足する軟弱な地山などで、先に側壁を築いて支持を確保するために採用します。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。山岳工法の掘削工法は、トンネル標準示方書 山岳工法編等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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