ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和6年度(後期)2級土木施工管理技士 No.18を解説、鋼道路橋の架設工法

令和6年度(2024年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.18は、鋼道路橋の架設工法に関する記述のうち、適当なものを選ぶ問題です。4つのうち、適当なものを1つ選びます。適当でないものを選ぶ問題ではないので、設問の言い回しに注意します。

この問題のポイント

架設工法は、それぞれ「どんな現場条件に向いているか(適地)」が決まっています。選択肢1〜3は工法の名前と仕組みは合っていますが、適した現場条件を取り違えているため適当ではありません。選択肢4のトラベラークレーンによる片持ち式架設工法が、桁下空間の使えない場所のトラス橋に適するという記述で、これが正しい組合せです。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢4(適当な記述)

各選択肢の適否

選択肢(工法)適否適した現場条件(正しくは)
1 ケーブルクレーンによる直吊り工法=「市街地での架設に適している」適当でない深い谷部・流水部などベント設置が困難な場所(両岸に鉄塔・アンカーを設置できる場合)に適する。市街地ではない
2 クレーン車によるベント式架設工法=「深い谷間での架設に適している」適当でない桁下に作業ヤードがある比較的平坦で水深の浅い場所に適する。深い谷間はベントが組めず不適
3 フローティングクレーンによる一括架設式工法=「水深が深く、流れの強い場所に適している」適当でない水深があり流れの弱い(静穏な)海上・河口に適する。流れが強いと起重機船が安定せず不適
4 トラベラークレーンによる片持ち式架設工法=「桁下空間が使用できない場合のトラス橋の架設に適している」適当(正解)ベントを使わず張り出して架設するので、桁下空間の使えない場所のトラス橋等に適する

選択肢4のポイント(適当な記述)

トラベラークレーンによる片持ち式架設工法は、すでに架けた桁の上をトラベラークレーンが移動しながら、部材を吊って前へ前へと張り出していく(片持ち式=カンチレバー)工法です。桁を下から支えるベントや支保工を使わないので、桁下空間が使えない深い谷・河川・交通路の上などでトラス橋を架けるのに向いています。選択肢4はこの適地を正しく述べているので、適当な記述です。

他の3つは、工法の仕組みは合っていますが、適した現場条件を取り違えています。

選択肢1のケーブルクレーン直吊り工法は、鉄塔で張り渡したケーブルから橋桁を吊り下げます。ベントが立てられない深い谷部や流水部に適し、市街地向きではありません。

選択肢2のベント式架設工法は、桁下にベント(仮支柱)を立てて桁を支えます。ベントを組める比較的平坦で水深の浅い場所に適し、深い谷間ではベントが高くなりすぎます。

選択肢3のフローティングクレーン一括架設工法は、起重機船で組立て済みの橋体を一括して架けます。船が進入・係留できる流れの弱い海上・河口に適し、流れが強いと船が安定しません。

覚え方

  • 片持ち式(トラベラークレーン)=ベントなしで張り出す=桁下空間が使えない場所のトラス橋
  • ケーブルクレーン直吊り=深い谷・流水部(ベントが立てられない場所)/市街地ではない
  • ベント式=桁下にベントを組める平坦で浅い場所/深い谷間ではない
  • フローティングクレーン=水深があり流れの弱い海上・河口/流れの強い場所ではない

理解度チェック

問題:ケーブルクレーンによる直吊り工法は、市街地での架設に適している。

〇か×か。

答え:×

ケーブルクレーン直吊り工法は、ベントが設置できない深い谷部や流水部で、両岸に鉄塔・アンカーを設置できる場合に適します。市街地向きの工法ではありません。

問題:フローティングクレーンによる一括架設式工法は、水深が深く、流れの強い場所の架設に適している。

〇か×か。

答え:×

起重機船を用いるため水深は必要ですが、流れが強いと船が安定しません。流れの弱い(静穏な)海上・河口に適します。

令和6年度(後期)2級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期・種別:土木) 問題」
  • 株式会社駒井ハルテック「ケーブルエレクション(直吊り)工法」(深い谷部や流水部などベント設置が困難な場所で、両岸に鉄塔やアンカーの設置が可能な場合に用いる)
  • 一般社団法人 日本橋梁建設協会「鋼橋の架設」/鹿島建設「フローティング・クレーン」(海上や河口で組立て済みの橋体を一括架設。トラベラークレーン片持式=ベントを設置せず張り出しながら架設)

※ 問題文は転載していません。各架設工法の適地は最新の道路橋示方書・鋼道路橋施工便覧等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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