ゼロから学ぶ土木施工管理

ゼロから学ぶ土木施工管理
  1. HOME > 専門土木 > 下水道管の更生工法は過去問でどう問われる?

下水道管の更生工法は過去問でどう問われる?

編集部キャラクター

編集部

さや管工法は、樹脂を膨らませて貼り付ける工法?いいえ。それは形成工法です。さや管工法は、既設管より小さい新しい管を入れてすき間を埋めます。ここが入れ替えで問われます。

この記事の要点

更生工法は、既設の管きょを活かして内側に新しい管を構築する工法です。

反転工法・形成工法・製管工法・さや管工法があります。各工法の違いと過去問での問われ方も押さえます。

古くなった下水道の管を、掘り返さずに内側から直す工事を更生工法といいます。工法ごとのしくみが入れ替えで問われます。

更生工法は、既設の管きょを活かして内側に新しい管を構築する工法で、反転工法・形成工法・製管工法・さや管工法があります。

更生工法の目的

更生工法は、老朽化した既設の管きょを掘り返さずに、内側から新しい管を構築して機能を回復させる工法です。新しく管を通す推進工法とは違い、すでにある管を活かして改築する点が特徴です。

下水道管きょの更生工法(反転・形成・製管・さや管)の分類ツリー 更生工法 反転工法 形成工法 製管工法 さや管工法
下水道管きょの更生工法。新しい管の構築のしかたが工法ごとに異なります。

更生工法の種類

反転工法

反転工法は、熱硬化性樹脂を含浸させた材料を、既設のマンホールから既設管きょ内へ反転加圧しながら挿入し、加圧した状態のまま樹脂を硬化させて管を構築する工法です。

形成工法

形成工法は、樹脂のライナーを既設管きょ内へ引き込み、水圧や空気圧などで拡張して既設管に密着させたあと、硬化させて管を構築する工法です。反転工法と同じく硬化性樹脂を使いますが、反転加圧で挿入するのが反転工法、引き込んで拡張・密着させるのが形成工法という違いがあります。

製管工法

製管工法は、既設管きょの内側で、硬質塩化ビニル材などをかん合させながら管をつくり、既設管との間げきにモルタルなどを充填して管を構築する工法です。

さや管工法

さや管工法は、既設管きょより小さな管径で製作した管きょをけん引して挿入し、既設管との間げきに充填材を注入して管を構築する工法です。

混同しやすい用語

反転工法 と さや管工法

どちらも更生工法ですが、新しい管のつくり方が違います。反転工法は、樹脂を含浸させた材料を既設管内で反転加圧し、その場で硬化させて管をつくります。さや管工法は、既設管より小さい新しい管を挿入し、すき間に充填材を入れて管をつくります。その場で樹脂を硬化させるのが反転工法、小さい新管を入れるのがさや管工法、と整理できます。

更生工法は過去問でどう問われた?

更生工法は、1級で各工法のしくみを入れ替えた記述(すり替え)を見抜けるかが正誤判定で問われます。

年度・級(No.)問われ方引っかけ(正誤の分かれ目)
令和7年・1級(No.52)更生工法の定義さや管工法は二次製品を牽引挿入し間げきに充填材(正答?)。形成・製管・反転の説明と入れ替えるのが誤り
令和6年・1級(No.47)更生工法の定義反転工法は硬化性樹脂含浸材をマンホールから反転加圧して挿入・硬化(正答?)。他工法の説明への入れ替えが誤り
平成28年・1級(No.47)更生工法の定義さや管工法を「樹脂ライナーを拡張・密着させて硬化」は誤り(それは形成工法)

年度をまたいで狙われるのは工法のしくみのすり替えです。さや管工法は小さい新管を挿入してすき間に充填材、形成工法は樹脂ライナーを拡張・硬化で、この2つの取り違えが代表的な誤りです。反転工法(反転加圧)と製管工法(かん合)の説明の入れ替えもくり返し問われます。

理解度チェック

問題:反転工法は、熱硬化性樹脂を含浸させた材料を既設管きょ内へ反転加圧しながら挿入し、加圧状態のまま硬化させて管を構築する。

〇か×か。

答え:

反転工法は樹脂含浸材を反転加圧で挿入し、その場で硬化させて管を構築します。

問題:さや管工法は、樹脂ライナーを既設管内で拡張・密着させて硬化させる工法である。

〇か×か。

答え:×

それは形成工法です。さや管工法は、既設管より小さい新管を挿入し間げきに充填材を注入します。

問題:製管工法は、既設管きょの内側で材料をかん合させながら管をつくり、間げきに充填する工法である。

〇か×か。

答え:

製管工法は既設管内で材料をかん合して製管し、既設管との間げきにモルタルなどを充填します。

問題:さや管工法は、既設管きょより小さな管径の管を牽引挿入し、間げきに充填材を注入する工法である。

〇か×か。

答え:

さや管工法は小さい新管を牽引挿入し、間げきに充填材を注入します。樹脂ライナーを拡張・硬化させるのは形成工法です。令和7年度の1級でも、この定義が問われました。

まとめ

更生工法は、既設の管きょを活かして内側に新しい管を構築する工法で、反転工法・形成工法・製管工法・さや管工法があります。さや管工法は既設管より小さい新管を挿入して間げきに充填、形成工法は樹脂ライナーを拡張・硬化させます。

過去問では、各工法のしくみを入れ替えたすり替え、とくにさや管工法と形成工法の取り違えが問われます。

掘らずに新しく管を通す推進工法との違いもあわせて押さえると、下水道の管の工事がつながります。

参考資料

  • 日本下水道協会「管路施設の更生工法」関連資料
  • 国土交通省「下水道管路の改築」関連資料

※ 更生工法は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

この記事を書いた人

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

Topへ >>

  1. HOME > 専門土木 > 下水道管の更生工法は過去問でどう問われる?