ゼロから学ぶ土木施工管理

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バーチカルドレーン工法とは?圧密促進の原理と種類

けんせつる

けんせつる

バーチカルドレーンって、地盤を固める工法なの?

なんで縦に排水材を入れると沈下が早くなるの?

この記事の要点

バーチカルドレーン工法は、軟弱地盤に鉛直方向の排水材(ドレーン)を打設し、排水距離を短くして圧密(沈下)を早める工法です。

地盤を直接固めるのではなく、水を早く抜いて圧密を促進します。圧密時間は排水距離の2乗に比例するのがカギです。

軟弱な粘土地盤は、上に荷重をかけると長い時間をかけてゆっくり沈みます(圧密)。これを早く終わらせる工法の一つがバーチカルドレーンです。

バーチカルドレーン工法とは、軟弱地盤中に鉛直方向の排水材(ドレーン)を打設し、排水距離を短くして圧密排水を促進する工法です。

粘土の中の水は抜けにくく、自然に任せると圧密に長い時間がかかります。鉛直に排水材を入れると、水が横方向の短い距離でドレーンにたどり着けるため、早く抜けて圧密が進みます。

なぜ排水距離を短くすると早いのか

圧密に要する時間は、排水距離の2乗に比例します。つまり、水が抜けるまでに進む距離が半分になれば、時間はおよそ4分の1になります。バーチカルドレーンは、この排水距離を縦の排水材で大きく短くすることで、圧密を促進します。圧密が進むと地盤の強度も増します。

バーチカルドレーンによる圧密促進(模式図) 盛土(載荷) サンドマット 軟弱粘土層 ドレーン
バーチカルドレーンによる圧密促進(模式図)。鉛直のドレーンで水が横の短い距離で集まり、上のサンドマットから抜けて圧密が早く進みます。寸法は実物どおりではありません。

主な種類

鉛直の排水材に何を使うかで分かれます。

種類 排水材
サンドドレーン 砂の柱(砂杭)を鉛直に造成する
ペーパードレーン カードボードや繊維材を打ち込む
プラスチックボードドレーン プラスチック製の帯状ボードを打ち込む

いずれも、盛土などで載荷しながら使い、抜けた水は上部のサンドマットなどから外へ出します。軟弱地盤対策の中の、水を抜いて圧密を促す工法のグループです。

混同しやすい用語

サンドコンパクションパイルとの違い

サンドドレーンは砂の柱で水を抜いて圧密を促す工法です。同じ砂の柱でも、サンドコンパクションパイルは砂を強く締め固めて杭にし、地盤そのものを締め固めて強くする工法で、目的がちがいます。

過去問での問われ方

軟弱地盤対策工法の種類として問われます。過去問では、サンドマット工法・バーチカルドレーン工法・サンドコンパクションパイル工法などが選択肢に並ぶ形で出ています。

バーチカルドレーンは地盤を直接固めるのではなく、排水距離を短くして圧密(沈下)を早める工法です。圧密促進と締固め・固結を混同しないように注意します。

理解度チェック

問題:バーチカルドレーン工法は、鉛直方向の排水材で排水距離を短くし、圧密を促進する工法である。

〇か×か。

答え:

水が短い距離でドレーンに集まって抜けるため、圧密が早く進みます。

問題:圧密に要する時間は、排水距離の2乗に比例する。

〇か×か。

答え:

そのため排水距離を短くするほど圧密が早く終わります。これがバーチカルドレーンの考え方です。

問題:サンドドレーンは、砂の柱を強く締め固めて地盤そのものを締め固める工法である。

〇か×か。

答え:×

それはサンドコンパクションパイルです。サンドドレーンは砂の柱で水を抜いて圧密を促す工法です。

まとめ

バーチカルドレーン工法は、鉛直の排水材で排水距離を短くし、軟弱地盤の圧密を早める工法です。

地盤を固めるのではなく、水を早く抜いて圧密を促進するのが本質で、圧密時間は排水距離の2乗に比例します。

あわせて軟弱地盤対策工法、地盤改良工法も確認すると、対策の選び方がつながります。

参考資料

  • 公益社団法人 日本道路協会「道路土工 軟弱地盤対策工指針」
  • 地盤工学会「地盤改良の調査・設計から施工まで」

※ 原理・種類は標準的な考え方です。条件により変わるため、最新の資料で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

過去問解説

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