編集部
盛土は一度に高く盛ってはいけない、と聞いて理由が気になりませんか?薄く重ねて締め固めないと、しっかり固まらず沈下するからです。厚さと含水比、材料の条件がカギになります。年度別の問われ方を見ておきましょう。
この記事の要点
盛土は、土を薄く層状に敷き均し、一層ずつ締め固めてつくります。まき出し厚さは路体と路床で異なります。
最適含水比で締め固めると、最も密に固まります。過去問での問われ方を年度別に押さえます。
盛土は、土を盛り上げて道路や堤防の土台をつくる工事です。一度に高く盛らず、薄く重ねて締め固めるのが基本になります。
盛土は、土を薄く層状に敷き均し、一層ずつ締め固めてつくります。まき出し厚さは路体と路床で異なります。
盛土は、土をまき出して敷き均し、ローラなどで締め固める作業をくり返します。一層を薄くするほど、奥までしっかり締め固まります。
盛土材料は、締固め後のせん断強さが大きく、圧縮性が小さいものが望ましいとされます。まき出し厚さや締固め回数は、使う材料によって変わるため、本施工の前に試験施工を行って決めるのが原則です。
盛土は、ゆるく敷き均した層をローラで締め固めて、決められた仕上り厚さに仕上げます。
厚さの目安は、盛土の部位によって次のように分かれます。
| 部位 | 一層の敷均し厚さ | 締固め後の仕上り厚さ |
|---|---|---|
| 路体・堤体 | 35?45cm以下 | 30cm以下 |
| 路床 | 25?35cm以下 | 20cm以下 |
舗装に近い路床のほうが、より薄く締め固めて高い品質に仕上げます。
締固めは、土の間隙を減らして密度を高め、強さと安定性を増す作業です。盛土材を最適含水比で締め固めると、最大乾燥密度の状態になり、最も密に固まります。この状態は、水がしみ込んでも崩れにくく、水浸に対する耐久性の面でも望ましいとされています。
締固めの状態は、土の種類や含水状態だけで決まるのではなく、締固め方法(機械や回数)によっても変わります。大型機械が使いにくい構造物の縁部や裏込め、のり面は、小型の機械で入念に締め固めます。
混同しやすい用語
路体盛土 と 路床盛土
同じ盛土でも、位置と求められる品質が違います。路体盛土は、盛土の下のほうの大部分で、土台となる部分です。路床盛土は、舗装のすぐ下にあって、交通の荷重を直接受ける部分です。路床のほうが高い品質を求められるため、一層を薄く(仕上り厚さを小さく)して、ていねいに締め固めます。
盛土の施工は、平成22年度から令和7年度まで、2級・1級でほぼ毎年問われています。引っかけは、盛土材料の条件と、締固めのやり方です。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和7年度 2級 No.8 | 盛土の施工。軟弱地盤の対策として「凍結工法」を用いるとするのは誤り(トラフィカビリティの確保にはサンドマット等。凍結工法は不適) |
| 令和6年度 2級 No.8 | 盛土材料の望ましい条件。「締固め後の圧縮性が大きく、盛土の安定性が保てる」とするのは誤り(圧縮性は小さいことが望ましい) |
| 令和5年度 2級 No.3 | 道路盛土。構造物の縁部の締固めを「大型の締固め機械で行わなければならない」とするのは誤り(縁部は小型機械で入念に締め固める) |
| 平成22年度 1級 No.2 | 盛土の締固め。締固めの状態が「締固め方法によって変わることはない」とするのは誤り(締固め方法によっても変わる) |
核心は盛土材料の条件と締固めのやり方です。盛土材料を「圧縮性が大きいものがよい」、構造物の縁部の締固めを「大型機械で行う」とする記述は誤りです。盛土材料は締固め後の圧縮性が小さいものが望ましく、構造物の縁部やのり面は小型の機械で入念に締め固めます。
締固めの状態は土の種類・含水状態だけでなく締固め方法によっても変わる点も、くり返し問われます。
問題:盛土材を最適含水比で締め固めると、最大乾燥密度の状態になり、最も密に固まる。
〇か×か。
答え:〇
最適含水比で締め固めると最大乾燥密度になり、間隙が最小で最も密に固まります。水浸に対する耐久性の面でも望ましい状態です。
問題:盛土材料は、締固め後の圧縮性が大きいものが望ましい。
〇か×か。
答え:×
盛土材料は、締固め後のせん断強さが大きく、圧縮性が小さいものが望ましいとされます(令和6年度 2級 No.8)。
問題:構造物の縁部の盛土は、大型の締固め機械で締め固めなければならない。
〇か×か。
答え:×
大型機械が使いにくい構造物の縁部やのり面は、小型の締固め機械で入念に締め固めます(令和5年度 2級 No.3)。
盛土は、土を薄く層状に敷き均し、一層ずつ締め固めてつくります。
路体は仕上り30cm以下・路床は仕上り20cm以下が目安で、盛土材料は圧縮性が小さく、縁部は小型機械で締め固めるのが要点です。
盛土材料の条件と締固めのやり方が、過去問でよく問われます。
参考資料
※ 厚さ・数値は標準的な目安です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月