ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和5年度 1級土木施工管理技士 問題B No.9を解説、異常気象時の安全対策

令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.9は、建設工事現場における異常気象時の安全対策に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。

降雨で冠水流出のおそれがある仮設物の措置、警報・注意報の解除後の作業再開、強風時の大型機械の転倒防止、情報収集の連絡手段という4つが並びます。

この問題のポイント

警報や注意報が解除されても、すぐに作業を再開できるわけではありません。地盤のゆるみ、崩壊、陥没等の危険がないか点検して安全を確認した後に再開します。

選択肢2は点検と併行しながら再開するとしています。点検の途中で人を入れれば、まだ見つかっていない危険の中で作業させることになります。

※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(適当でない記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 降雨で冠水流出のおそれがある仮設物は、早めに撤去する、水裏から水を呼び込んで内外水位差による倒壊を防ぐ、補強する等の措置を講じる○(適当)内外の水位差をなくして押される力を減らす
⑵ 警報及び注意報が解除された場合は、地盤のゆるみ、崩壊、陥没等の危険がないか点検と併行しながら作業を再開する×(適当でない)点検して安全を確認した後に再開する。点検しながらの再開は認められない
⑶ 強風では、クレーンや杭打ち機のように風圧を大きく受ける大型機械の休止場所での転倒・逸走防止に十分注意する○(適当)作業中でなく休止中も倒れる・動き出す
⑷ 情報収集では、事務所・現場詰所・作業場所間の連絡伝達に複数の手段を確保し、瞬時に連絡できるようにする○(適当)1つの手段が使えなくなる前提で備える

選択肢2のポイント(ここが適当でない)

大雨や強風の後の現場は、見た目が変わっていなくても地盤が水を含んでゆるんでいたり、埋戻し部が沈んで空洞ができていたりします。危険が残っているかどうかを確かめる前に人を入れれば、点検の意味がありません。順序は、警報の解除→点検→安全の確認→再開です。

「併行しながら」という書き方は、一見すると効率がよく現場的に聞こえます。安全確認と作業を同時に進める記述は誤りにされると覚えておくと、同じ型の肢に迷いません。

選択肢1の水裏から水を呼び込む措置は、初めて読むと違和感がありますが、内側と外側の水位差で仮設物が押し倒されるのを防ぐためです。中に水を入れて外と同じ高さにすれば、押す力が釣り合います。撤去・水位差の解消・補強のどれかで対応するという並びです。

選択肢3は、機械を止めているときの転倒と逸走に触れています。強風は作業中だけでなく休止中の機械も倒します。選択肢4の連絡手段を複数持つことも、停電や通信断で1つが使えなくなる前提の備えです。

覚え方

  • 警報の解除→点検→安全確認→再開。点検と併行して再開はしない
  • 冠水のおそれがある仮設物=撤去・内外水位差の解消・補強のいずれか
  • 強風は休止中の大型機械も倒す。転倒と逸走の両方に備える
  • 連絡手段は複数確保する(1つが使えなくなる前提)

理解度チェック

問題:警報及び注意報が解除された場合は、地盤のゆるみや崩壊の危険がないか点検と併行しながら作業を再開する。

〇か×か。

答え:×

点検して安全を確認した後に再開します。

問題:降雨で冠水流出のおそれがある仮設物は、水裏から仮設物内に水を呼び込んで内外水位差による倒壊を防ぐ措置も有効である。

〇か×か。

答え:

内側にも水を入れて水位差をなくし、押す力を釣り合わせます。

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出典・参考資料

※ この問題は数値や条文を問う形式ではないため、本文に数値・条番号は出していません。解説は正答(選択肢2)と、作業再開の順序(警報の解除→点検→安全確認→再開)という考え方にとどめています。問題文と選択肢は転載していません。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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