令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.13は、既製杭で支持層に届いたことをどう確認し、打止めをどう管理するかについて、適当でないものを選ぶ問題です。
打撃工法、中掘り杭工法、プレボーリング杭工法、回転杭工法の4つが1つずつ並び、それぞれの管理指標が正しく組まれているかを見ます。
4つの工法はどれも「試験杭で測った値と、本杭で測った値を比べる」という同じ考え方で管理します。指標だけが工法ごとに違い、打撃工法は貫入量とリバウンド量、中掘り杭工法は掘削抵抗値、プレボーリング杭工法は電流値、回転杭工法は回転トルクです。
回転杭工法で誤りが作られています。硬い支持層に入れば杭を回すのに要する力は大きくなるので、支持層上部よりも回転トルクが増加していることで到達を判断します。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 打撃工法では、支持杭基礎の場合、打止め時の一打当りの貫入量及びリバウンド量等が試験杭と同程度であることを確認する | ○(正しい) | 同じ深さで同じ打たれ方をしていれば同じ層にいると判断できる |
| ⑵ 中掘り杭工法のセメントミルク噴出攪拌方式では、支持層付近で掘削速度を極力一定に保ち、掘削抵抗値を測定・記録して確認する | ○(正しい) | 速度を一定にそろえないと抵抗値を杭ごとに比べられない |
| ⑶ プレボーリング杭工法では、積分電流値の変化が試験杭と異なる場合、駆動電流値の変化、採取された土の状態、事前の土質調査結果、他の杭の施工状況等により確認する | ○(正しい) | 1つの指標が合わないときは複数の手がかりで判断する |
| ⑷ 回転杭工法では、回転トルクとN値の変化を対比し、支持層上部よりも回転トルクが減少していることにより確認する | ×(誤り) | 増減が逆。支持層に入れば回転トルクは増加する |
回転杭工法は、先端に羽根を付けた鋼管杭を回転させながら地中に押し込んでいく工法です。土が硬くなれば回転させるための抵抗が大きくなり、回転トルクの値も大きくなります。
したがって支持層に届いたしるしは回転トルクの増加であって、減少ではありません。回転トルクが下がっていく場合は、硬い層を突き抜けて下の軟らかい層に入っている疑いを持ちます。
判断は試験杭との対比で行います。試験杭で回転トルクとN値の対応を記録しておき、支持層上部より値が増えている深さを打止めの目安にします。
⑴の打撃工法は、1打で沈む量(貫入量)と杭が跳ね返る量(リバウンド量)を試験杭と比べます。⑵と⑶は比べられる条件をそろえることが要点で、掘削速度を一定に保つ、電流値が合わないときは土の状態や既に打った杭の記録も併せて見る、という管理になります。したがって適当でないものは選択肢4です。
問題:回転杭工法では、支持層上部よりも回転トルクが減少していることにより支持層への到達を確認する。
〇か×か。
答え:×
逆です。硬い層に入れば回すための抵抗が増えるため、回転トルクは増加します。
問題:打撃工法の支持杭基礎では、打止め時の一打当りの貫入量やリバウンド量が試験杭と同程度であることを確認する。
〇か×か。
答え:〇
試験杭と同じ打たれ方であれば、同じ支持層に届いていると判断できます。
出典・参考資料
※ 日本道路協会「杭基礎施工便覧」は市販図書のため、本記事では便覧の条項・数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月