令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.12は、道路橋で用いられる基礎形式の種類とその特徴について、適当でないものを選ぶ問題です。ケーソン基礎、支持杭基礎、鋼管矢板基礎、直接基礎が1つずつ並びます。
誤りは、支持杭基礎で鉛直荷重と水平荷重の担い手を入れ替えている点にあります。支持杭基礎では鉛直荷重は杭のみで抵抗させるのが原則で、フーチングの根入れ部分に分担させるのは水平荷重の側です。⑵はこの2つを逆に書いています。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ ケーソン基礎は、鉛直荷重に対して基礎底面地盤の鉛直地盤反力のみで抵抗させることを原則とする | ○(正しい) | 底面で受ける形式 |
| ⑵ 支持杭基礎は、水平荷重は杭のみで抵抗させ、鉛直荷重は杭とフーチング根入れ部分で抵抗させることを原則とする | ×(誤り) | 鉛直と水平が逆。鉛直荷重は杭のみで抵抗させるのが原則 |
| ⑶ 鋼管矢板基礎で圧密沈下が生じると考えられる地盤への打設は、負の周面摩擦力等による影響を考慮して検討する | ○(正しい) | 地盤が沈むと杭が下へ引かれる |
| ⑷ 直接基礎は、フーチング周面の摩擦抵抗はあまり期待できないので、鉛直荷重は基礎底面地盤の鉛直地盤反力のみで抵抗させる | ○(正しい) | 底面で受ける形式 |
支持杭基礎は、軟らかい層を貫いて硬い支持層まで杭を届かせ、上部からの鉛直荷重を杭のみで支える形式です。フーチングの底面が地盤に接していても、そこで鉛直荷重を分担させることは原則としません。杭と地盤の沈み方が違うため、分担を当てにすると当てが外れるからです。
一方、水平荷重については杭に加えて、フーチングの根入れ部分が前面の地盤から受ける抵抗を見込むことがあります。⑵はこの関係をそっくり入れ替えて、水平を杭だけに、鉛直を杭とフーチングに割り当てています。鉛直は杭だけ、水平は杭+根入れ部分という向きで覚えておくと、入れ替えにすぐ気づけます。
⑴のケーソン基礎と⑷の直接基礎は、どちらも底面の地盤反力で鉛直荷重を受ける形式です。⑷が触れているとおり、フーチング周面の摩擦抵抗はあまり期待できないため、底面で受けるという考え方になります。⑶の負の周面摩擦力は、周りの地盤が圧密で沈むときに杭を下へ引きずり下ろす力で、圧密沈下が予想される地盤では設計で考慮します。したがって適当でないものは選択肢2です。
問題:支持杭基礎では、水平荷重は杭のみで抵抗させ、鉛直荷重は杭とフーチング根入れ部分で抵抗させることを原則とする。
〇か×か。
答え:×
逆です。鉛直荷重は杭のみで抵抗させ、水平荷重で杭とフーチング根入れ部分を考えます。
問題:圧密沈下が生じると考えられる地盤への鋼管矢板基礎の打設では、負の周面摩擦力等の影響を考慮して検討する。
〇か×か。
答え:〇
周りの地盤が沈むと、杭は周面から下向きに引きずられます。
出典・参考資料
※ 日本道路協会「道路橋示方書・同解説 Ⅳ下部構造編」および各地方整備局の設計要領はいずれもPDF・市販図書のため、本記事では示方書の条項・数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月