ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和5年度 1級土木施工管理技士 No.11を解説、鉄筋の継手

令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.11は、鉄筋の継手について適当でないものを選ぶ問題です。重ね継手の緊結と重ね合わせ長さ、ガス圧接の端面処理、径の異なる鉄筋の接合が並びます。

この問題のポイント

誤りは、ガス圧接の端面の切り方にあります。圧接する端面は軸線に直角に切断し、平滑に仕上げます。傾斜させると2本の端面が全面で合わず、加熱・加圧しても圧接面にすき間が残って強度が出ません。

※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 重ね継手は、所定の長さを重ね合わせて直径0.8mm以上の焼なまし鉄線で数箇所緊結する○(正しい)ずれないよう数箇所で結ぶ
⑵ 重ね継手の重ね合わせ長さは、鉄筋直径の20倍以上とする○(正しい)長さは鉄筋の径で決まる
⑶ ガス圧接継手における鉄筋の圧接端面は、軸線に傾斜させて切断する×(誤り)軸線に直角かつ平滑に仕上げる。傾斜させると端面が合わない
⑷ 手動ガス圧接の場合、直近の異なる径の鉄筋の接合は可能である○(正しい)一定の範囲内の径の差なら接合できる

選択肢3のポイント(ここが誤り)

ガス圧接は、2本の鉄筋の端面どうしを突き合わせ、加熱しながら軸方向に押し付けて一体にする継手です。端面が全面で密着していることが前提なので、圧接端面は軸線に直角かつ平滑に仕上げ、鉄筋冷間直角切断機で切断します。汚れや酸化膜があればグラインダーで研削して落とします。

端面を傾斜させて切ると、突き合わせたときに片側だけが先に当たり、反対側にすき間が残ります。その状態で加熱・加圧しても、すき間の部分は接合されずに平らな破面(フラット破面)として残り、継手の強度に影響します。端面を平滑に整えるのは、このすき間をなくすためです。

⑴の重ね継手は、重ねた鉄筋がずれないよう直径0.8mm以上の焼なまし鉄線で数箇所を緊結します。鉄線は位置を保つためのもので、力を伝えるのは重ね合わせ長さとコンクリートの付着です。⑵の重ね合わせ長さは鉄筋直径の20倍以上で、太い鉄筋ほど長く重ねます。⑷は径の異なる鉄筋どうしの圧接で、一定の範囲内の径の差であれば接合できます。したがって適当でないものは選択肢3です。

覚え方

  • 圧接端面は軸線に直角かつ平滑。傾斜させるとすき間が残る
  • 重ね合わせ長さは鉄筋直径の20倍以上。焼なまし鉄線は直径0.8mm以上で数箇所緊結
  • ガス圧接は、一定の範囲内の径の差であれば接合できる

理解度チェック

問題:ガス圧接継手における鉄筋の圧接端面は、軸線に傾斜させて切断する。

〇か×か。

答え:×

軸線に直角かつ平滑に仕上げます。傾斜させると突き合わせたときにすき間が残ります。

問題:重ね継手の重ね合わせ長さは、鉄筋直径の20倍以上とする。

〇か×か。

答え:

長さは鉄筋の径で決まります。太い鉄筋ほど長く重ねます。

令和5年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 圧接端面の処理(「圧接端面を直角かつ平滑に仕上げる」「鉄筋冷間直角切断機で切断」/平滑化の目的は「圧接端面間の隙間をなくし,圧接継手の強度に影響を及ぼすフラット破面の発生を防止」/汚損があれば「ディスクグラインダーで端面を研削」):建材試験センター Part2 ガス圧接継手
  • 重ね合わせ長さ(「重ね合わせ長さは鉄筋直径の20倍以上とします」):千三つさんが教える土木工学 8.4 鉄筋の継手

※ ガス圧接で許容される径の差は基準の版によって扱いが異なるため、本記事では具体の値を示していません。問題文と選択肢も転載していません。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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