ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和5年度 1級土木施工管理技士 No.10を解説、コンクリートの打込み・締固め

令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.10は、コンクリートの打込み・締固めについて適当なものを選ぶ問題です。シュートの種類、材料分離への対処、棒状バイブレータの使い方、許容打重ね時間間隔が並びます。

この問題のポイント

適当なのは⑵だけです。打ち込んだコンクリートに粗骨材が分離した部分ができたら、その粗骨材をすくい上げてモルタルの多いコンクリートの中に埋め込むのが正しい対処です。残る3つは、シュートの種類、バイブレータの使い方、打重ね時間と気温の関係が、いずれも逆や禁止事項になっています。

※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(最も適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ シュートを用いる場合は斜めシュートを標準とする×(誤り)標準は縦シュート。斜めは材料が分離する
⑵ 粗骨材が分離してモルタル分が少ない部分があれば、その粗骨材をすくい上げてモルタルの多いコンクリートの中に埋め込んで締め固める○(適当)捨てずに戻して一体にする
⑶ 材料分離を防ぐため、棒状バイブレータでコンクリートを横移動させながら充填する×(誤り)横移動させると分離する。バイブレータで運ばない
⑷ コールドジョイント防止のための許容打重ね時間間隔は、外気温が高いほど長くなる×(誤り)外気温が高いほど短くなる

⑴⑶⑷のポイント(ここが誤り)

⑴のシュートは、高い位置から下へコンクリートを流す装置です。斜めに流すと重い粗骨材が先へ転がり、モルタル分と分かれてしまうため、縦シュートを標準とし、やむを得ず斜めシュートを使う場合は分離を防ぐ措置をとります。

⑶の棒状バイブレータは、コンクリートを締め固めるための道具で、運ぶための道具ではありません。振動を与えながら横へ動かすと、流動したモルタル分だけが先に移動して粗骨材が取り残され、材料分離を防ぐどころか自分で分離をつくってしまいます。⑶は「材料分離を防ぐため」という目的まで書いていますが、手段が目的と正反対です。

⑷の許容打重ね時間間隔は、先に打った層が固まり始める前に次を打つための制限時間です。気温が高いほど凝結が早く進むので、外気温が高いほど許容打重ね時間間隔は短くなります。長くなるとしている⑷は逆です。この関係はNo.9の暑中コンクリートで遅延形を使う理由とつながっています。

⑵は材料分離が起きた場合の対処で、分離した粗骨材をそのままにすると空隙の多い弱い部分が残ります。取り除いて捨てるのではなく、モルタルの多い部分へ埋め込んで締め固め、全体を一体にします。したがって適当なものは選択肢2です。

覚え方

  • シュートは縦が標準。バイブレータで横移動させない
  • 許容打重ね時間間隔は、外気温が高いほど短い
  • 分離した粗骨材は捨てずに、モルタルの多い部分へ埋め込んで締め固める

理解度チェック

問題:型枠内に打ち込んだコンクリートは、材料分離を防ぐため棒状バイブレータで横移動させながら充填する。

〇か×か。

答え:×

横移動させるとモルタル分だけが先に動いて分離します。バイブレータは運搬の道具ではありません。

問題:コールドジョイント防止のための許容打重ね時間間隔は、外気温が高いほど短くなる。

〇か×か。

答え:

気温が高いほど凝結が早く進むため、次を打つまでに許される時間は短くなります。

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出典・参考資料

※ 土木学会「コンクリート標準示方書」はPDF・市販図書のため、本記事では示方書の条項・数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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