令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.9は、寒中コンクリートおよび暑中コンクリートの施工について適当でないものを選ぶ問題です。適用する気温の目安、養生後の保護、混和剤の選び方が並びます。
誤りは、暑中コンクリートで使う混和剤の種類にあります。暑中は気温が高くて凝結が早く進むため、コールドジョイントを防ぐには遅延形の減水剤・AE減水剤を使って凝結を遅らせます。⑷は促進形としており、凝結をさらに早める方向で、目的と逆になっています。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 日平均気温が4℃以下になることが予想される場合は、寒中コンクリートとしての施工を行う | ○(正しい) | 凍害を受ける温度域に入る目安 |
| ⑵ 寒中コンクリートでは、保温養生・給熱養生の終了後に急に寒気にさらすとひび割れのおそれがあるため、適当な方法で保護し表面の急冷を防止する | ○(正しい) | 温度差で表面が引っ張られる |
| ⑶ 日平均気温が25℃を超える時期に施工することが想定される場合は、暑中コンクリートとしての施工を標準とする | ○(正しい) | 暑中の適用の目安 |
| ⑷ 暑中コンクリートでは、コールドジョイントの発生防止のため、減水剤・AE減水剤は促進形のものを用いる | ×(誤り) | 促進形でなく遅延形。凝結を遅らせて打重ねの時間を稼ぐ |
コールドジョイントは、先に打ったコンクリートが固まり始めてから次の層を打ったときに、境目が一体にならずに残る不具合です。気温が高いほど凝結が早く進むため、暑中は打重ねまでの許される時間が短くなり、コールドジョイントが起きやすくなります。
そこで暑中コンクリートでは、凝結を遅らせる遅延形の減水剤・AE減水剤を使い、打重ねまでの時間を稼ぎます。遅延形は凝結遅延性の成分を調整してコンクリートの凝結をコントロールするもので、夏期の打設対策として使われます。促進形は凝結を早めるもので、寒中コンクリートのように早く強度を出したい場面で検討する種類です。⑷は暑中と寒中で使う向きを取り違えています。
⑴の日平均気温4℃以下は寒中コンクリートの適用の目安で、凍結のおそれが出る温度域に入ります。⑵は養生を終えた直後の話で、温まっていたコンクリートを急に外気にさらすと表面だけが縮んで引っ張られ、ひび割れます。⑶の日平均気温25℃超は暑中コンクリートの適用の目安です。したがって適当でないものは選択肢4です。
問題:暑中コンクリートでは、コールドジョイントの発生防止のため、減水剤・AE減水剤は促進形のものを用いる。
〇か×か。
答え:×
遅延形を用います。凝結を遅らせて打重ねまでの時間を稼ぐのが目的です。
問題:日平均気温が25℃を超える時期に施工することが想定される場合は、暑中コンクリートとしての施工を標準とする。
〇か×か。
答え:〇
寒中は日平均気温4℃以下、暑中は25℃超が適用の目安です。
出典・参考資料
※ 土木学会「コンクリート標準示方書」はPDF・市販図書のため、本記事では示方書の条項には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月