令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.8は、コンクリート用混和材料について適当でないものを選ぶ問題です。フライアッシュ、膨張材、石灰石微粉末、高性能AE減水剤の効果や性質が並びます。
誤りは、石灰石微粉末に付け足された効果にあります。石灰石微粉末はブリーディングの抑制や流動性の改善に使われますが、アルカリシリカ反応を抑制する材料ではありません。この反応を抑える手立ては、低アルカリ形セメントの使用、高炉セメントやフライアッシュセメント等の混合セメントの使用、コンクリート中のアルカリ総量の規制です。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ フライアッシュはワーカビリティーを改善して単位水量を減らせるほか、水和熱による温度上昇の低減等の効果が期待できる | ○(正しい) | 丸い粒子で滑りがよくなる |
| ⑵ 膨張材は、乾燥収縮や硬化収縮等に起因するひび割れ発生を低減できる | ○(正しい) | 縮む分をあらかじめ膨らませて相殺する |
| ⑶ 石灰石微粉末は、ブリーディングの抑制やアルカリシリカ反応を抑制する等の効果がある | ×(誤り) | ブリーディング抑制は正しいが、アルカリシリカ反応の抑制効果は期待できない |
| ⑷ 高性能AE減水剤は、コンクリート温度や使用材料等の諸条件の変化に対してワーカビリティー等が影響を受けやすい傾向にある | ○(正しい) | 効きが強いぶん条件変化に敏感 |
石灰石微粉末は、石灰石を細かく砕いた粉体で、コンクリートの流動性を改善し、材料分離への抵抗性を確保するために使われます。粒子が細かいためブリーディング水の通り道が長くなり、ブリーディングを抑える働きもあります。ただし石灰石微粉末は活性度が低く、アルカリシリカ反応を抑える材料としては挙げられません。
アルカリシリカ反応の抑制対策は、低アルカリ形ポルトランドセメントを使う、高炉セメントやフライアッシュセメントといった混合セメントを使う、コンクリートのアルカリ総量を規制する、の3つで組み立てます。混合セメントが効くのは、混ぜた材料がアルカリと反応して固定するからで、反応性の低い石灰石微粉末はここに入りません。⑶は正しい効果(ブリーディング抑制)に、成り立たない効果を1つ並べて足した形です。
⑴のフライアッシュは球形の粒子が転がりを助けるため、同じ流動性を少ない水で得られ、あわせて水和熱による温度上昇も抑えられます。⑵の膨張材は硬化時に膨張してコンクリートの収縮を相殺し、収縮ひび割れを減らします。⑷の高性能AE減水剤は減水効果が大きい一方で、コンクリート温度や材料の変動でスランプの出方が変わりやすい性質があります。したがって適当でないものは選択肢3です。
問題:石灰石微粉末を用いると、ブリーディングの抑制やアルカリシリカ反応の抑制等の効果がある。
〇か×か。
答え:×
ブリーディング抑制は正しいですが、アルカリシリカ反応の抑制効果は期待できません。
問題:膨張材を適切に用いると、乾燥収縮や硬化収縮に起因するひび割れの発生を低減できる。
〇か×か。
答え:〇
硬化時に膨張させて、後から縮む分を相殺します。
出典・参考資料
※ 問題文と選択肢は転載していません。原文はJCTCの公開資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月