令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.7は、コンクリートに用いるセメントについて適当でないものを選ぶ問題です。普通・早強・中庸熱の各ポルトランドセメントと、耐硫酸塩ポルトランドセメントが並びます。
誤りは、耐硫酸塩ポルトランドセメントの中身にあります。このセメントはアルミネート相(C3A)の含有量を少なくしたポルトランドセメントで、高炉スラグの微粉末を混ぜたものではありません。高炉スラグを混合材とするのは高炉セメントで、別のセメントの説明がそのまま入っています。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 普通ポルトランドセメントは幅広い工事で使われ、小規模工事や左官用モルタルでも使用される | ○(正しい) | 最も一般的なセメント |
| ⑵ 早強ポルトランドセメントは、初期強度を要するプレストレストコンクリート工事等に使用される | ○(正しい) | 早く強度を出したい場面向け |
| ⑶ 中庸熱ポルトランドセメントは、水和熱を抑制することが求められるダムコンクリート工事等に使用される | ○(正しい) | マスコンクリートの温度ひび割れ対策 |
| ⑷ 耐硫酸塩ポルトランドセメントは、高炉スラグの微粉末を混合したセメントで、塩分が飛来する環境に使用される | ×(誤り) | 高炉スラグを混合材とするのは高炉セメント。耐硫酸塩はC3A量を少なくしたもの |
セメントは、大きくポルトランドセメントと混合セメントに分かれます。ポルトランドセメントは成分の割合を変えて性質を調整したもので、耐硫酸塩ポルトランドセメントはアルミネート相(C3A)の含有量が少ないセメントです。硫酸塩と反応して膨張する成分をあらかじめ減らしておく、という作り方になります。
これに対して混合セメントは、ポルトランドセメントに別の材料を混ぜたものです。高炉セメントは高炉スラグを混合材とするセメントで、フライアッシュセメントならフライアッシュを混ぜます。⑷は名前に耐硫酸塩ポルトランドセメントと書きながら、中身は高炉セメントの説明になっています。ポルトランド系は成分調整、混合セメントは材料を混ぜるという作り方の違いで切り分けると迷いません。
⑴の普通ポルトランドセメントは最も使用量が多く、一般の土木工事から左官用モルタルまで幅広く使われます。⑵の早強ポルトランドセメントは初期強度の発現が早く、プレストレスを早く導入したい工事や工期の短い工事に向きます。⑶の中庸熱ポルトランドセメントは水和熱を抑えるもので、ダムのようなマスコンクリートで内部温度が上がり過ぎるのを防ぎます。したがって適当でないものは選択肢4です。
問題:耐硫酸塩ポルトランドセメントは、高炉スラグの微粉末を混合したセメントである。
〇か×か。
答え:×
アルミネート相(C3A)の含有量を少なくしたセメントです。高炉スラグを混合材とするのは高炉セメントです。
問題:中庸熱ポルトランドセメントは、水和熱を抑制することが求められるダムコンクリート工事等に使用される。
〇か×か。
答え:〇
マスコンクリートで内部温度が上がり過ぎるのを防ぐために使います。
出典・参考資料
※ 問題文と選択肢は転載していません。原文はJCTCの公開資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月