令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.18は、鋼道路橋の高力ボルトの施工について、適当なものを選ぶ問題です。
ボルトの品質確認、締付けの順序、締付け後の検査、軸力の導入方法という4つが並びます。適当なものが1つで、残る3つは向きや部位が入れ替えられています。
締付けの順序と、回す部位が引っかけになります。締付けは継手の中央から外側へ進め、軸力の導入はナットを回して行うのが原則です。
選択肢3の検査は、回転法や耐力点法が回転角そのものを管理値にする方法なので、マーキングで所要の回転角があるかを確かめます。これが適当な記述です。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ ボルト、ナットは、原則として現場搬入時にその特性及び品質を保証する試験、検査を行い、規格に合格していることを確認する | ×(誤り) | 特性と品質は製造の段階で保証される。現場搬入時に初めて確かめる建て方ではない |
| ⑵ 継手の中央部からボルトを締め付けると連結板が浮き上がり密着性が悪くなる傾向があるため、外側から中央に向かって締め付ける | ×(誤り) | 順序が逆。本締めは中央から外周へ進める |
| ⑶ 回転法又は耐力点法によって締め付けたボルトに対しては、全数についてマーキングによって所要の回転角があるか否かを検査する | ○(正しい) | 回転角で軸力を管理する方法なので、マークで回転量を読む |
| ⑷ ボルトの軸力の導入は、ボルトの頭部を回して行うのを原則とし、やむを得ずナットを回して行う場合はトルク係数値の変化を確認する | ×(誤り) | 回す部位が逆。軸力の導入はナットを回して行うのが原則 |
締付けを外側から始めると、連結板の中央が浮いたまま外周だけが締まり、板と板の間にすき間が残ります。摩擦接合は板同士が密着してはじめて力を伝えるため、中央から外側へ締め、ひずみを外に逃がす順序を取ります。選択肢2は理由の部分(浮き上がりと密着性)まで書いておきながら、順序だけを裏返しています。
軸力の導入は、ナットを回して行うのが原則です。ボルトの頭部を回すと、ボルト全体が一緒に回るおそれがあり、回転量から軸力を読む前提が崩れます。選択肢4は原則と例外を入れ替えています。
選択肢1は、ボルトとナットの特性や品質を保証する試験・検査を現場搬入時に行うと書いています。品質は製造の段階で保証されるもので、現場に着いてから特性を試験して合否を決める段取りにはしません。
選択肢3のマーキングは、1次締めの後に付けた印で締め忘れ、ナットの回転量、共回りの有無を読み取るための管理です。回転法や耐力点法は回転角を管理値にするため、この印を全数について確かめます。したがって適当なものは選択肢3です。
問題:高力ボルトの締付けは、連結板の浮き上がりを防ぐため、継手の外側から中央に向かって行う。
〇か×か。
答え:×
逆です。中央から外側へ締め付け、板のひずみを外に逃がします。
問題:ボルトの軸力の導入は、ナットを回して行うのを原則とする。
〇か×か。
答え:〇
頭部を回すと共回りのおそれがあり、回転量から軸力を読めなくなります。
出典・参考資料
※ 日本道路協会「道路橋示方書・同解説」および各地方整備局の施工管理要領はPDF・市販図書のため、本記事では検査率などの条項・数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月