令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.21は、河川堤防の盛土施工について、適当でないものを選ぶ問題です。
締固めの向き、施工中の排水、既設堤防への腹付けの段切り、高含水比粘性土の運搬という4つが並びます。
寸法で引っかけています。既設堤防に腹付けするときの段切りは、1層の仕上り厚の2倍で50〜60cm程度を目安にします。
選択肢3は「1層仕上り厚の2倍」という考え方まで正しく書いたうえで、寸法を20〜30cm程度に縮めています。考え方と数値が食い違っている点で気づけます。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 築堤盛土の締固めは堤防法線に平行に行うことが望ましく、締固め幅が重複するよう常に留意して施工する | ○(正しい) | 法線に平行なら転圧の重ね合わせを保ちやすい |
| ⑵ 築堤盛土の施工中は、法面の一部に雨水が集中して流下すると法面侵食の主要因となるため、堤防横断方向に勾配を設けながら施工する | ○(正しい) | 面で流して1か所に集めないのが侵食対策 |
| ⑶ 既設堤防に腹付けを行う場合の段切りは、一般にその大きさを堤防締固めの一層仕上り厚の2倍の20〜30cm程度とすることが多い | ×(誤り) | 寸法が小さい。一層仕上り厚の2倍=50〜60cm程度が目安 |
| ⑷ 高含水比粘性土を盛土材料として使用する際は、わだち掘れ防止のために接地圧の小さいブルドーザによる盛土箇所までの二次運搬を行う | ○(正しい) | 接地圧が小さければ軟らかい土を練り返しにくい |
段切りは、既設堤防の法面に階段状の切込みを入れて新しい盛土をかみ合わせる処置です。段が浅いと新旧の境界がすべり面になりやすいため、1層の仕上り厚の2倍で50〜60cm程度を目安にします。
選択肢3は「一層仕上り厚の2倍」という決め方は正しく書いています。2倍という考え方と、20〜30cmという寸法が両立しないため、そこで誤りと判断できます。
締固め1層の仕上り厚がおおむね30cm前後であることを覚えておくと、その2倍が50〜60cmという寸法とつながります。数値だけを暗記するのではなく、層の厚さと段の深さの関係で押さえます。
⑴の締固めを法線に平行に進めるのは、転圧の重ね幅を確保しやすく、堤防の長さ方向で品質をそろえられるからです。⑵は施工中の雨水を法面の一点に集めない工夫、⑷は軟らかい土を練り返さないための接地圧の配慮です。したがって適当でないものは選択肢3です。
問題:既設堤防に腹付けを行う場合の段切りの大きさは、一層仕上り厚の2倍で20〜30cm程度とすることが多い。
〇か×か。
答え:×
2倍という考え方は正しく、寸法は50〜60cm程度が目安です。
問題:築堤盛土の締固めは、堤防法線に平行に行い、締固め幅が重複するように施工する。
〇か×か。
答え:〇
法線に平行なら重ね幅を確保しやすく、長さ方向で品質がそろいます。
出典・参考資料
※ 国土交通省「河川砂防技術基準」および「河川土工マニュアル」はPDFのため本記事では条項には踏み込んでいません。選択肢2の勾配の数値は問題文の抽出テキストが壊れていたため記載していません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月
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