令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.23は、堤防を開削するときの仮締切工の施工について、適当でないものを選ぶ問題です。
開削と撤去の時期、二重仮締切内の掘削時の監視、撤去の順序、中埋め土の材料という4つが並びます。
撤去の順序で引っかけています。流水の影響が考えられる場合は下流側、上流側、流水側の順で撤去し、川の流れに直接向き合う流水側を最後に残します。
選択肢3は上流側を先にしています。上流側を先に開けると、締切りの内側へ流れが入り込むことになります。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 堤防の開削は仮締切工が完成する以前に開始してはならず、仮締切工の撤去は堤防の復旧完了後、又はゲート等の代替機能の構造物ができた後に行う | ○(正しい) | 守るものが無い時間帯を作らない |
| ⑵ 鋼矢板の二重仮締切内の掘削は、鋼矢板の変形、中埋土の流出、ボイリング・ヒービングの兆候の有無を監視しながら行う | ○(正しい) | 水位差がある掘削なので前兆を見張る |
| ⑶ 仮締切工の撤去は内外の土圧・水圧をバランスさせつつ行い、流水の影響がある場合は上流側、下流側、流水側の順で撤去する | ×(誤り) | 順序が違う。下流側、上流側、流水側の順で、流水側を最後に残す |
| ⑷ 鋼矢板の二重仮締切工に用いる中埋め土は、壁体の剛性を増す目的と壁体に作用する土圧を低減するために良質の砂質土とする | ○(正しい) | 粘性土では土圧が大きくなり水も抜けにくい |
仮締切りの撤去は、内外の土圧と水圧を釣り合わせながら順に開けていきます。流水の影響がある場合は下流側、上流側、流水側の順で、流れを正面から受ける流水側を最後まで残します。
下流側を先に開ければ、締切り内にたまった水は流れ去る方向へ抜けます。上流側を先に開けると締切り内へ水が流れ込み、まだ残っている壁体に一方向の水圧がかかることになります。
選択肢3は流水側を最後にする点だけは合っており、上流側と下流側の順を入れ替えています。3つの並びのうち前半2つだけがすり替えられている形です。
⑴は仮締切りが無い状態を作らないという時間の管理、⑵は水位差のある掘削で前兆を見張る監視項目です。⑷の中埋め土は、壁体を一体として硬くしつつ土圧を抑えるため、粘性土ではなく良質の砂質土を使います。したがって適当でないものは選択肢3です。
問題:流水の影響がある場合、仮締切工の撤去は上流側、下流側、流水側の順で行う。
〇か×か。
答え:×
下流側、上流側、流水側の順です。流水側を最後に残します。
問題:鋼矢板の二重仮締切工の中埋め土には、良質の砂質土を用いる。
〇か×か。
答え:〇
壁体の剛性を増し、壁体に作用する土圧を低減する目的があります。
出典・参考資料
※ 各地方整備局の「仮締切堤設置基準(案)」はPDFのため、本記事では基準の条項・数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月
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