令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.28は、堤防を開削する場合の仮締切工の施工に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。掘削底面付近の地盤が砂質か粘性土かで、警戒すべき破壊現象と検討方法が変わる点を見分けます。
仮締切内を掘削するとき、掘削底面付近が砂質地盤か軟弱な粘性土地盤かによって、想定すべき破壊現象が変わります。砂質地盤では地下水の浸透流によるボイリングやパイピング、軟弱な粘性土地盤では背面の土の重さで底面が押し上げられるヒービングが問題になります。選択肢⑷は砂質地盤にヒービングの検討を結び付けており、地盤種別と現象の組合せが入れ替わっています。砂質地盤にヒービングを当てていないかが問われます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 仮締切内の掘削は、水替え工による排水の濁りやその量の変化、及び仮締切工である鋼矢板の変形等を監視しながら施工する | ○(正しい) | 排水の濁り・量の変化や矢板の変形を監視しながら掘削するのは適切 |
| ⑵ 砂質地盤では、テルツァギの方法でボイリングに対する検討を行い、その安全率を満足するような矢板の根入れ長さを確保したうえで施工する | ○(正しい) | 砂質地盤のボイリングは、根入れ長さで安全率を満たすように検討する |
| ⑶ 砂質地盤・粘性土地盤ともにパイピングの検討を行い、安全率を満足するような矢板の根入れ長さ、あるいは壁体幅を決定したうえで施工する | ○(正しい) | パイピングは砂質・粘性土いずれも検討し、根入れ長さや壁体幅で対応する |
| ⑷ 掘削底面付近が砂質地盤の場合には、ヒービングの検討を行う必要があり、仮締切に対し安定数を用いて検討する | ×(誤り) | ヒービングは軟弱な粘性土地盤で生じる現象で、砂質地盤で警戒するのはボイリング・パイピング。地盤種別と現象の組合せが誤り |
ヒービングは、掘削底面付近が軟弱な粘性土地盤のときに、背面の土の重さで掘削底面が盤ぶくれのように押し上げられる現象で、地盤のせん断強さと安定数(安定係数)を用いて検討します。一方、掘削底面付近が砂質地盤のときに地下水の浸透流で問題になるのはボイリングとパイピングで、テルツァギの方法などで動水勾配や根入れ長さを検討します。
砂質地盤にヒービングの検討を結び付けている点が誤りで、ヒービングは軟弱な粘性土地盤で生じる現象です。砂質地盤で警戒するのはボイリング・パイピングです。⑴の監視項目、⑵のボイリング検討、⑶のパイピング検討はいずれも正しく、適当でないものは選択肢4です。
| 掘削底面付近の地盤 | 警戒する破壊現象 | 主な原因 | 検討の考え方 |
|---|---|---|---|
| 砂質地盤 | ボイリング・パイピング | 地下水の浸透流・動水勾配 | テルツァギの方法で根入れ長さ・壁体幅を確保する |
| 軟弱な粘性土地盤 | ヒービング | 背面土の重さ・地盤のせん断強さ不足 | 安定数(安定係数)で掘削底面の安定を検討する |
問題:掘削底面付近が砂質地盤の場合には、ヒービングの検討を行う必要がある。
〇か×か。
答え:×
ヒービングは軟弱な粘性土地盤で生じる現象です。砂質地盤で警戒するのはボイリング・パイピングで、根入れ長さや壁体幅を確保して検討します。
問題:砂質地盤では、テルツァギの方法でボイリングに対する検討を行い、安全率を満足する矢板の根入れ長さを確保したうえで施工する。
〇か×か。
答え:〇
砂質地盤のボイリングは、テルツァギの方法で安全率を満たすように矢板の根入れ長さを確保します。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。仮締切工の掘削底面の安定は、道路土工仮設構造物工指針等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
このサイトについて