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令和5年度 1級土木施工管理技士 No.25を解説、渓流保全工

令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.25は、渓流保全工について、適当でないものを選ぶ問題です。

渓流保全工の目的、計画の考え方、護岸工、床固工という4つが並びます。

この問題のポイント

床固工を置く位置で引っかけています。護岸などの工作物の基礎を守る目的で床固工を設けるときは、守りたい工作物の下流側に置きます。

選択肢4は上流に設置すると書いています。床固工は据えた場所で河床の高さを押さえる施設なので、下流に置いて初めてその上流側にある工作物の足元が守られます。

※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢4(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 渓流保全工は、山間部の平地や扇状地を流下する渓流等において、縦断勾配の規制により渓床や渓岸の侵食等を防止することを目的とした施設である○(正しい)流路を落ち着かせて縦横の侵食を止める施設
⑵ 渓流保全工は、多様な渓流空間、生態系の保全及び自然の土砂調節機能の観点から、拡幅部や狭窄部等の自然の地形を活かして計画することが求められる○(正しい)地形をならして一本の水路にしない
⑶ 護岸工は渓岸の侵食や崩壊の防止、山脚の固定等を目的に設置され、湾曲部外湾側では河床変動が大きいことから根固工を併用する等の検討が求められる○(正しい)曲がりの外側は流れが強く当たり河床が動く
⑷ 床固工は、渓床の縦侵食防止や河床堆積物の再移動防止により河床を安定させるとともに、護岸工等の工作物の上流に設置することにより工作物の基礎を保護する機能も有する×(誤り)位置が逆。基礎を守るために設けるときは工作物の下流側に置く

選択肢4のポイント(ここが誤り)

床固工は渓流を横断して据える構造物で、その位置の河床の高さを固定します。河床が下がろうとする力を止められるのは据えた場所とその上流側で、下流側の河床低下には効きません。

したがって護岸の足元を守りたいなら、その護岸より下流に床固工を置くという配置になります。上流に置くと、守りたい護岸は床固工の下流側に残されるため、河床が下がって基礎が洗われます。

選択肢4は、縦侵食の防止と河床堆積物の再移動防止という床固工の目的までは正しく書いています。上流と下流の1語だけを入れ替える形です。

⑴と⑵は渓流保全工そのものの目的と計画の考え方で、地形を平らにならすのではなく拡幅部や狭窄部を活かします。⑶の湾曲部外湾側は流れが強く当たって河床が深掘れしやすいため、護岸に根固工を組み合わせます。したがって適当でないものは選択肢4です。

覚え方

  • 床固工は据えた場所から上流を守る。基礎を守りたい工作物の下流側に置く
  • 渓流保全工は縦断勾配を規制して渓床・渓岸の侵食を防ぐ施設
  • 計画は拡幅部・狭窄部などの自然の地形を活かす
  • 湾曲部の外湾側は河床変動が大きいため護岸に根固工を併用する

理解度チェック

問題:床固工は、護岸工等の工作物の上流に設置することにより、その工作物の基礎を保護する機能を有する。

〇か×か。

答え:×

下流側に置きます。床固工が河床の高さを押さえられるのは、その上流側です。

問題:渓流保全工の護岸工では、湾曲部の外湾側で根固工の併用を検討する。

〇か×か。

答え:

曲がりの外側は流れが強く当たり、河床変動が大きくなります。

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出典・参考資料

※ 各県の砂防施設設計基準や国土交通省の渓流保全工の手引きはPDFのため、本記事では基準の条項・数値には踏み込んでいません。床固工の配置は、公式正答と「据えた位置の河床高を固定する」という働きから説明しています。問題文と選択肢も転載していません。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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