令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.9は、建設工事の労働災害防止対策について、適当でないものを選ぶ問題です。高所からの飛来落下、立入防止施設、土留・支保工内の通路という現場の基本項目が並びます。
誤りは、土留・支保工の部材を通路に使う点にあります。切梁や腹起しは掘削の土圧を受け持つ構造部材で、その上を通路として使うことは認められていません。表示すれば使ってよい、という肢は成立しません。土留・支保工内の掘削では、通路は別に設けます。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 落下しやすい高所には物を置かない。やむを得ず足場上に材料を集積する場合は集中荷重によるたわみ等に留意する | ○(正しい) | 落下防止と足場への荷重の両方を見る |
| ⑵ 構造物の出入口と外部足場が交差する場所の出入口上部には、ネット・シート等の防護対策を講じる | ○(正しい) | 人が必ず通る真上が飛来落下の急所 |
| ⑶ 工事現場の周囲に鋼板・シート・ガードフェンス等の立入防止施設を設け、工事区域を明確にする | ○(正しい) | 作業員にも第三者にも境界を示す |
| ⑷ 切梁・腹起し等の部材上を通路として使用する際は、あらかじめ通路であることを表示する | ×(誤り) | 部材上は通路にしない。表示すれば使えるものではなく、通路は別に設ける |
切梁と腹起しは、土留め壁が受けた土圧を突っ張って支える部材です。設計で見込んでいるのは土圧であって、人が歩く荷重や足を掛けたときの偏った力ではありません。丸みのある鋼材の上を歩けば足を踏み外し、掘削底へ墜落します。土留・支保工内の掘削では通路を別に設け、切梁・腹起し等の部材上の通行は認められていません。
⑷は「通路であることを表示する」と条件を付けており、表示さえすれば使ってよいという読み方になります。禁止されている行為に手続を足しても許容にはなりません。危険な状態に注意書きを添える形の肢は、労働災害防止対策では誤りになると考えて構いません。
⑴は足場上への集積という現実的な例外を認めたうえで、集中荷重によるたわみに留意するという内容で正しい記述です。⑵の出入口上部の防護は、人の出入りが集中する場所の真上を守るもので、外部足場からの飛来落下に対する基本の措置です。⑶の立入防止施設は、第三者の立入りを防ぐと同時に、作業員にも工事区域の境界を示します。したがって適当でないものは選択肢4です。
問題:土留・支保工内の掘削では、切梁や腹起しの上を通路として使用してよい。あらかじめ通路であることを表示すればよい。
〇か×か。
答え:×
切梁・腹起しは土圧を受け持つ構造部材で、通路にはしません。通路は別に設けます。
問題:構造物の出入口と外部足場が交差する場所では、出入口の上部にネットやシートによる防護を行う。
〇か×か。
答え:〇
人の出入りが集中する場所の真上が、飛来落下でもっとも危ない場所です。
出典・参考資料
※ 問題文と選択肢は転載していません。原文はJCTCの公開資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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