令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.11は、土工工事の明り掘削で事業者が講じなければならない措置について、労働安全衛生法令上誤っているものを選ぶ問題です。地山の崩壊、運行経路の周知、埋設物の損壊、点検という4つの措置が並びます。
誤りは、地中電線路等を壊すおそれがあるときの対応にあります。労働安全衛生規則第363条は、掘削機械・積込機械・運搬機械の使用による損壊で労働者に危険を及ぼすおそれがあるときは、これらの機械を使用してはならないと定めています。「十分に注意して使用する」という逃げ道はありません。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 地山の崩壊等のおそれがあるときは、あらかじめ土止め支保工や防護網を設け、労働者の立入禁止等の措置を講じる | ○(正しい) | 崩れる前に支える・受ける・近づけないの3手 |
| ⑵ 運搬機械等の運行経路と土石の積卸し場所への出入の方法をあらかじめ定め、関係労働者に周知させる | ○(正しい) | 規則第364条の措置そのもの |
| ⑶ 掘削機械等の使用による地中電線路等の損壊のおそれがあるときは、これらの機械を十分に注意して使用する | ×(誤り) | 注意して使うのではなく、これらの機械を使用してはならない(規則第363条) |
| ⑷ 点検者を指名し、その日の作業開始前、大雨の後、中震以上の地震の後に浮石・き裂等の状態を点検させる | ○(正しい) | 点検の担当者と時期を決めて実施する |
労働安全衛生規則第363条は、明り掘削の作業でガス導管・地中電線路その他地下に存する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらの機械を使用してはならないと定めています。機械を使うことそのものが禁じられるので、人力での掘削に切り替える、位置を確認して防護を施す、埋設物を移設するといった別の手を打ちます。
地中の電線路やガス導管は、機械のバケットが当たった時点で感電・爆発につながります。注意深く操作したから当たらない、という保証はどこにもありません。「注意して使用する」「慎重に行う」で終わる肢は、法令が使用禁止や別の措置を求めている場面をすり替えたものと考えてください。緊急性が高い危険ほど、法令は注意義務でなく禁止の形で書きます。
⑴は崩壊のおそれに対して土止め支保工で支える、防護網で受ける、立入禁止で人を離すという措置で正しい記述です。⑵は第364条が運行経路と積卸し場所への出入の方法を定めて関係労働者に周知させることを求めており、記述のとおりです。⑷の点検は、担当者を指名したうえで、作業開始前と大雨・中震以上の地震の後という時期を決めて行います。したがって誤っているものは選択肢3です。
問題:明り掘削で掘削機械の使用により地中電線路を損壊するおそれがあるときは、十分に注意して機械を使用すればよい。
〇か×か。
答え:×
これらの機械を使用してはならない、と定められています(規則第363条)。
問題:運搬機械等の運行経路や積卸し場所への出入の方法は、あらかじめ定めて関係労働者に周知させる。
〇か×か。
答え:〇
規則第364条の定めです。定めるだけでなく周知までが要件になります。
出典・参考資料
※ 問題文と選択肢は転載していません。原文はJCTCの公開資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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