令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.31は、酸素欠乏等のおそれのある工事で事業者が講じなければならない措置について、①〜④のうち酸素欠乏症等防止規則上正しいものの数を選ぶ問題です。特別の教育、濃度の測定、命綱、報告が並びます。
正しいのは②③④の3つです。誤りは①で、特別の教育を行う相手はその業務に就かせる労働者です。作業指揮者に対して行うものではありません。教育は現場に入る全員に危険と退避の方法を知らせるための仕組みなので、指揮する側だけに行っても意味がありません。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(正しいものは3つ)
| 記述 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ① 第一種酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者を就かせるときは、作業指揮者に対し特別の教育を行う | ×(誤り) | 特別の教育は当該労働者に対して行う(規則第12条) |
| ② 硫化水素発生のおそれがある第二種酸素欠乏危険作業の作業場では、酸素濃度及び硫化水素濃度を測定したうえで作業に着手する | ○(正しい) | 第二種は酸素と硫化水素の両方を測る |
| ③ 酸素欠乏症等にかかって転落するおそれがあるときは、要求性能墜落制止用器具その他の命綱を使用させる | ○(正しい) | 倒れたときに落ちないよう体を保持する |
| ④ 労働者が酸素欠乏症等にかかったときは、遅滞なくその旨を所轄の労働基準監督署長に報告する | ○(正しい) | 行政への報告まで含めて事業者の義務 |
酸素欠乏症等防止規則第12条は、第一種酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者を就かせるとき、当該労働者に対し、酸素欠乏の発生の原因、酸素欠乏症の症状、空気呼吸器等の使用の方法、事故の場合の退避及び救急蘇生の方法などについて特別の教育を行うことを求めています。第二種酸素欠乏危険作業についても同様に準用されます。①はこの相手を作業指揮者に置き換えており、そこが誤りです。
特別の教育は、危険な業務に就く本人が危険を知り、異常時に自分で退避できるようにするための制度です。作業指揮者だけが知っていても、中で倒れる本人が対処できなければ意味がありません。酸素欠乏では、助けに入った人が続けて倒れる二次災害が起きやすく、全員が空気呼吸器の使い方と退避の手順を知っている必要があります。法令が「当該労働者に対し」と書いている理由はここにあります。
②は第二種酸素欠乏危険作業の測定で、酸素だけでなく硫化水素の濃度も測ります。第二種は酸素欠乏症と硫化水素中毒の両方のおそれがある場所の作業なので、測る対象が2つになります。③は、酸欠で意識を失ったときに転落しないよう命綱で体を保持するものです。④は、労働者が酸素欠乏症等にかかったときの報告で、事業者の義務として所轄の労働基準監督署長に遅滞なく報告します。したがって正しいものは②③④の3つです。
問題:第一種酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者を就かせるときは、作業指揮者に対して特別の教育を行う。
〇か×か。
答え:×
当該労働者に対して行います(規則第12条)。倒れる本人が退避できることが目的です。
問題:第二種酸素欠乏危険作業に係る作業場では、酸素濃度と硫化水素濃度の両方を測定する。
〇か×か。
答え:〇
第二種は酸素欠乏症と硫化水素中毒の両方のおそれがある場所の作業です。
出典・参考資料
※ ④の報告に関する条番号は本記事では扱っていません。問題文と①〜④の記述も転載していません。原文はJCTCの公開資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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