ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和6年度 1級土木施工管理技士 No.7を解説、現場発生土を盛土材料に使用する留意点

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.7は、道路の盛土材料として現場発生土を使用する場合の留意点に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。安定や沈下が問題となる材料や高含水比の材料などを、どう処理してどこに使うかが正しく述べられているかを見分けます。

この問題のポイント

現場発生土を盛土に使うときは、材料の性状に応じて処理方法と使う位置を変えます。盛土の安定や沈下が問題となる材料は、障害が生じにくい法面表層部や緑地等へ回します。選択肢3は「下層部になるべく厚く敷き均すか、法肩等に使用する」としていますが、法肩は盛土の安定に関わる重要な位置で、そこへ問題のある材料を厚く敷くのは逆です。安定・沈下が問題となる材料をどこに使うか、位置を取り違えていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 支持力や施工性が確保できない材料は、現場内で発生する他の材料と混合したり、セメントや石灰による安定処理を行って使用する○(正しい)支持力・施工性が足りない材料は混合や安定処理で改良して使う
⑵ 高含水比の材料は、なるべく薄く敷き均した後、十分な放置期間をとり、ばっ気乾燥を行うか、処理材を混合調整し使用する○(正しい)薄く敷いて乾燥させ、処理材で含水比を下げてから使う
⑶ 盛土の安定や沈下等が問題となる材料は、盛土の下層部になるべく厚く敷き均すか、法肩等に使用する×(誤り)安定・沈下が問題となる材料は障害が生じにくい法面表層部・緑地等へ使う。法肩や下層部に厚く敷くのは逆
⑷ 透水性の良い砂質土等は排水材料に使用し、岩塊や礫質土は、排水処理と安定性向上のため法尻に使用する○(正しい)材料の透水性・強さに応じて排水材料や法尻に配置する

選択肢3のポイント(ここが誤り)

盛土の安定や沈下が問題となる材料は、障害が生じにくい法面表層部や緑地等へ使用します。法肩は盛土のり面の肩の部分で、崩れやすく盛土の安定に影響しやすい位置です。

安定・沈下が問題となる材料は障害が生じにくい法面表層部・緑地等に使うのが正しく、盛土の下層部に厚く敷き均したり法肩などの重要な位置に使うのは誤りです。⑴の支持力不足材料の混合・安定処理、⑵の高含水比材料を薄く敷いてばっ気乾燥、⑷の砂質土は排水材料・岩塊礫質土は法尻という配置はいずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢3です。

現場発生土は性状で処理と使う位置が変わる

現場発生土は、そのままでは盛土に向かない性状の土も出ます。性状ごとに処理と使う位置を対応させて整理すると、選択肢の正誤を判断しやすくなります。

材料の性状処理・使い方使う位置
支持力・施工性が確保できない他の材料と混合、セメント・石灰で安定処理改良して盛土に使用
高含水比なるべく薄く敷き均し放置・ばっ気乾燥、処理材を混合調整含水比を下げてから使用
安定・沈下が問題障害が生じにくい箇所へ回す法面表層部・緑地等(法肩など重要な位置は避ける)
透水性の良い砂質土・礫質土排水材料として利用排水層
岩塊・礫質土排水処理・安定性向上のため利用法尻

安定・沈下が問題となる材料だけ、他の性状と使う位置の考え方が異なります。ここが選択肢3の引っかけです。

覚え方

  • 安定・沈下が問題の材料=障害が生じにくい法面表層部・緑地等へ(法肩など重要な位置に厚く敷かない)
  • 高含水比の材料はなるべく薄く敷き均してばっ気乾燥/支持力不足は混合・安定処理で改良
  • 透水性の良い砂質土は排水材料、岩塊・礫質土は法尻に使う

理解度チェック

問題:盛土の安定や沈下が問題となる材料は、盛土の下層部になるべく厚く敷き均すか、法肩等に使用する。

〇か×か。

答え:×

障害が生じにくい法面表層部や緑地等に使用します。法肩など盛土の安定に関わる重要な位置には使いません。

問題:高含水比の材料は、なるべく薄く敷き均した後、十分な放置期間をとり、ばっ気乾燥を行うか、処理材を混合調整して使用する。

〇か×か。

答え:

薄く敷いて乾燥させ、処理材で含水比を下げてから使います。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 現場発生土の利用方法(安定・沈下が問題の材料は障害が生じにくい法面表層部・緑地等へ、高含水比材料は薄く敷き均してばっ気乾燥、支持力不足材料は混合・安定処理、砂質土は排水材料、岩塊・礫質土は法尻へ)=道路土工-盛土工指針に準じる

※ 問題文は転載していません。現場発生土の処理と使用位置は、道路土工-盛土工指針等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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