ゼロから学ぶ土木施工管理

ゼロから学ぶ土木施工管理
  1. HOME > 過去問解説 > 令和6年度(1級) > No.8 TS・GNSSを用いた盛土の情報化施工

令和6年度 1級土木施工管理技士 No.8を解説、TS・GNSSを用いた盛土の情報化施工

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.8は、TS(トータルステーション)・GNSS(全球測位衛星システム)を用いた盛土の情報化施工に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。締固め回数の管理を盛土範囲の全面で行うのか、一部の地点だけで行うのかを見分けます。

この問題のポイント

情報化施工では、試験施工でまき出し厚と締固め回数を決めておき、本施工はTS・GNSSが記録する走行位置と締固め回数のデータで品質を管理します。締固め回数分布図は、施工範囲を細かいブロックに区切り、各ブロックが規定回数に達したかを色で示します。選択肢4は「代表地点」が規定回数の色になるまで締め固めるとしていますが、締固め管理は代表地点ではなく盛土範囲の全面(全ブロック)が規定回数の色になるまで行います。一部の地点だけで見るのか、全面で面的に見るのかを取り違えていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢4(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ TSとGNSSのどちらで位置を把握するかは、地形条件や電波障害の有無等から検討し、双方の適用が困難な範囲では従来の品質管理方法を用いる○(正しい)使う機器を現場条件で選ぶ
⑵ まき出しは試験施工で求めた仕上がり厚に対応するまき出し厚以下となるよう、盛土施工範囲の全面にわたって作業し確認する○(正しい)まき出し厚を全面で管理する
⑶ 試験施工と同じ土質・含水比の材料を使い、試験施工で決めたまき出し厚・締固め回数等で施工した盛土は、所定の締固め度が確保される○(正しい)試験施工の条件を再現すれば締固め度を確保できる
⑷ 締固め回数分布図で、盛土範囲に設定した「代表地点」が規定回数だけ締め固めたことを示す色になるまで締め固める×(誤り)代表地点でなく盛土範囲の全面(全ブロック)が規定回数の色になるまで締め固める。「代表地点」が誤り

選択肢4のポイント(ここが誤り)

締固め回数分布図は、施工範囲を細かいブロックに区切り、ローラの走行位置から各ブロックの締固め回数を数え、規定回数に達したブロックを色で示します。オペレータはモニタを見ながら、まだ色が変わっていないブロックを追加で締め固めます。試験施工で決めた締固め回数を、施工範囲のどこかにムラを残さず確保するための面的な管理です。

代表地点でなく盛土範囲の全面(全ブロック)が規定回数の色になるまで締め固めるのが情報化施工の面的管理で、「代表地点」で判断するのは誤りです。⑴の機器選定、⑵のまき出し厚の全面管理、⑶の試験施工条件の再現は正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢4です。

覚え方

  • 締固め回数の管理は代表地点でなく、盛土範囲の全面(全ブロック)が規定回数の色になるまで
  • 試験施工でまき出し厚と締固め回数を決める→本施工はTS・GNSSの走行位置データで管理
  • まき出し厚も締固め回数も、盛土範囲の全面で面的に管理する

理解度チェック

問題:TS・GNSSによる締固め管理では、締固め回数分布図で盛土範囲に設定した代表地点が規定回数の色になれば、盛土全体の締固めが完了したと判断してよい。

〇か×か。

答え:×

代表地点ではなく、盛土範囲の全面(全ブロック)が規定回数の色になるまで締め固めます。施工範囲のどこかに締固め不足のブロックを残さないための面的な管理です。

問題:締固め管理でTSとGNSSのどちらを用いるかは、地形条件や電波障害の有無等を検討して決める。

〇か×か。

答え:

現場条件で使う機器を選びます。TS・GNSSの双方が使いにくい範囲では、従来の品質管理方法を用います。

令和6年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • TS・GNSSを用いた盛土の締固め管理要領(国土交通省。締固め回数分布図で盛土施工範囲の全面が規定回数に達するよう面的に管理する)

※ 問題文は転載していません。TS・GNSSを用いた締固め管理は、国土交通省の管理要領等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

過去問解説

よく学ばれる分野

このサイトについて

Topへ >>

  1. HOME > 過去問解説 > 令和6年度(1級) > No.8 TS・GNSSを用いた盛土の情報化施工