令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.9は、建設発生土を工作物の埋戻しに利用する際の留意点に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。埋戻し材に求められる性質や、高含水比の粘性土・安定処理土の扱い方が正しく述べられているかを見分けます。
埋戻し材は、道路供用開始後に工作物との間に隙間や段差が生じないよう、圧縮性の小さい安定した材料を用います。圧縮性が大きい材料は荷重や時間の経過で沈下・変形しやすく、工作物との境目に段差や隙間の原因をつくります。選択肢1は「隙間や段差が生じないように圧縮性の大きい材料を用いる」としていますが、これでは沈下して段差を招くため逆です。圧縮性が大きいのか小さいのか、取り違えていないかが問われます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 埋戻しに用いる土は、供用開始後に工作物との間に隙間や段差が生じないように圧縮性の大きい材料を用いる | ×(誤り) | 隙間や段差を防ぐには圧縮性の小さい材料を用いる。圧縮性が大きいと沈下して段差の原因になる |
| ⑵ 泥土や取扱いの難しい高含水比の粘性土は、自硬性をもたせる等の機能を付加することにより埋戻し材として利用できる | ○(正しい) | 自硬性を付加して改質すれば埋戻し材に使える |
| ⑶ 埋戻しに用いる土は、液状化防止や路盤・路床と同等の支持力を要求される場合もあるので、使用場所に応じた材料を選定する | ○(正しい) | 求められる性能は場所で異なるため材料を選定する |
| ⑷ セメント及び石灰による安定処理で改良する際は、土質により所定の強度が得られないことがあるので、事前の試験で性状を把握する | ○(正しい) | 土質で効き方が違うため事前試験で確認する |
埋戻し部は、締固めや荷重で圧縮すると工作物との境目に段差や隙間が現れます。これを避けるには、荷重を受けても縮みにくい、つまり圧縮性の小さい安定した材料を用いる必要があります。隙間や段差を防ぐには圧縮性の小さい材料を用いるのが正しく、「圧縮性の大きい材料」は沈下・段差を招くため誤りです。⑵の高含水比の粘性土に自硬性を付加して利用すること、⑶の使用場所に応じた材料選定、⑷の安定処理での事前試験による性状把握はいずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢1です。
| 着眼点 | 正しい扱い方 |
|---|---|
| 圧縮性(隙間・段差) | 供用開始後に隙間や段差が生じないよう、圧縮性の小さい安定した材料を用いる |
| 高含水比の粘性土・泥土 | そのままでは扱いにくいが、自硬性をもたせる等の機能を付加すれば埋戻し材として利用できる |
| 支持力(使用場所) | 液状化防止や路盤・路床と同等の支持力を求められることもあり、使用場所に応じて材料を選定する |
| 安定処理(改良) | セメントや石灰で改良しても土質により所定の強度が出ないことがあるため、事前の試験で性状を把握する |
問題:埋戻しに用いる土は、供用開始後に工作物との間に隙間や段差が生じないように、圧縮性の大きい材料を用いる。
〇か×か。
答え:×
圧縮性の小さい安定した材料を用います。圧縮性が大きいと荷重や時間の経過で沈下し、かえって隙間や段差の原因になります。
問題:取扱いの難しい高含水比の粘性土は、自硬性をもたせる等の機能を付加することにより埋戻し材として利用できる。
〇か×か。
答え:〇
そのままでは扱いにくい土でも、自硬性を付加して改質すれば埋戻し材に使えます。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。埋戻し材の留意点は、建設発生土利用技術マニュアル・道路土工要綱等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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