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令和6年度 1級土木施工管理技士 No.15を解説、コンクリートの養生

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.15は、コンクリートの養生に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。マスコンクリートの温度管理、高流動コンクリートの乾燥対策、混合セメントB種の湿潤養生期間、膨張コンクリートの湿潤保持が正しく述べられているかを見分けます。

この問題のポイント

混合セメントB種を用いたコンクリートは、反応がゆるやかで初期の強度発現が遅いため、普通ポルトランドセメントより湿潤養生期間を長くします。選択肢3は「短くなる」としていて、長短が逆です。混合セメントB種の湿潤養生期間を長くするのか短くするのかを取り違えていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ マスコンクリートの養生では、部材内外の温度差が大きくならないように、コンクリート温度をできるだけ緩やかに外気温に近づける○(正しい)急な温度低下は温度ひび割れの原因。緩やかに外気温へ近づける
⑵ 高流動コンクリートは、プラスティック収縮ひび割れが発生しやすい傾向があり、表面の乾燥を防ぐ対策を行う○(正しい)ブリーディングが少なく表面が乾きやすいため、乾燥を防ぐ
⑶ 混合セメントB種を用いたコンクリートの養生では、普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートより湿潤養生期間が短くなる×(誤り)混合セメントB種は反応がゆるやかで、普通ポルトランドセメントより湿潤養生期間を長くする
⑷ 膨張コンクリートは、所要の強度発現及び膨張力を得るために、打込み後、湿潤状態に保つことがきわめて重要である○(正しい)膨張材の水和で膨張力が出るため、湿潤状態の保持が重要

選択肢3のポイント(ここが誤り)

混合セメントB種は、普通ポルトランドセメントに高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどを一定量混ぜたセメントです。混ぜた分だけ初期の水和反応がゆるやかになり、強度の出方も遅くなります。そのため、必要な強度に達するまでの湿潤養生期間は普通ポルトランドセメントより長く必要です。

混合セメントB種は普通ポルトランドセメントより湿潤養生期間を長くするのが正しく、「短くなる」は長短が逆で誤りです。コンクリート標準示方書の湿潤養生期間の標準は下表のとおりで、同じ気温でも混合セメントB種は普通ポルトランドセメントより日数が多くなります。

日平均気温早強ポルトランドセメント普通ポルトランドセメント混合セメントB種
15℃以上3日5日7日
10℃以上4日7日9日
5℃以上5日9日12日

表を横に読むと、15℃以上でも普通ポルトランドセメントの5日に対し混合セメントB種は7日で、混合セメントB種のほうが長いことが確かめられます。⑴のマスコンクリートを緩やかに外気温へ近づける、⑵の高流動コンクリートで表面の乾燥を防ぐ、⑷の膨張コンクリートを湿潤状態に保つは、いずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢3です。

覚え方

  • 混合セメントB種は普通ポルトランドセメントより湿潤養生期間が長い(短いは誤り)
  • 同じ気温なら、早強<普通<混合セメントB種の順に日数が長い
  • マス=内外の温度差を抑え緩やかに外気温へ/高流動=表面の乾燥を防ぐ/膨張=湿潤状態を保つ

理解度チェック

問題:混合セメントB種を用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントより湿潤養生期間が短くなる。

〇か×か。

答え:×

混合セメントB種は反応がゆるやかで初期強度の発現が遅いため、普通ポルトランドセメントより湿潤養生期間を長くします。

問題:マスコンクリートの養生では、部材内外の温度差が大きくならないように、コンクリート温度をできるだけ緩やかに外気温に近づける。

〇か×か。

答え:

急な温度低下は温度差による温度ひび割れを招くため、緩やかに外気温へ近づけます。

令和6年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 湿潤養生期間の標準(日平均気温15℃以上・10℃以上・5℃以上/早強・普通ポルトランド・混合セメントB種):土木学会 コンクリート標準示方書にもとづく
  • 混合セメントの初期強度:公益社団法人 日本コンクリート工学会「混合セメント」

※ 問題文は転載していません。数値・用語は最新の示方書・便覧で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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