令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.21は、鋼道路橋の架設上の留意事項に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。No.21は選択問題B(No.21〜No.54)の先頭にあたります。架設部材の横方向への移動、縦方向への移動(送出し)、曲線桁橋の吊り上げ、トラス橋の架設という4つの管理が正しく述べられているかを見分けます。
誤りは、架設部材を縦方向に移動する送出し工法の送り出し勾配の向きにあります。送出し作業では、桁が自重で滑走して速度が出すぎる暴走を防ぐことが安全確保の要になります。このため送り出し勾配は上り勾配にするのが望ましく、下り勾配にすると桁の動きを抑えにくく危険側になります。⑵が上り勾配と下り勾配を逆にしていないかが問われます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 架設部材を横方向に移動する場合には、両端で作業誤差が生じやすいため、移動量及び移動速度が計画量に適合しているかを施工段階ごとに確認しながら行う | ○(正しい) | 横移動は両端の誤差が出やすく、移動量・速度を段階ごとに確認する |
| ⑵ 架設部材を縦方向に移動する場合には、送出し作業の安全性を高めるため、送り出し勾配は下り勾配にすることが望ましい | ×(誤り) | 送り出し勾配は下り勾配でなく上り勾配が望ましい。下り勾配は桁が自重で滑走・暴走しやすく危険側になる |
| ⑶ 曲線桁橋を吊り上げる際には、ねじれ・傾き・転倒等が生じないように重心位置を把握し、ベント等の反力を検討する | ○(正しい) | 曲線桁は重心が桁線からずれるため重心位置を把握しベント反力を検討する |
| ⑷ トラス橋は、架設の最終段階でのそりの調整が難しいため、架設の各段階における上げ越し量の確認を入念に行う | ○(正しい) | 最終段階でそりを直しにくいので各段階で上げ越し量を確認する |
送出し工法は、架設した桁を橋軸方向へ縦に押し出して所定の位置まで運ぶ工法です。この移動中に桁が自重で勾配を下って滑走すると、速度が出すぎて位置決めが効かなくなり、桁や支持設備を損傷する恐れがあります。
そこで送り出し勾配は下り勾配でなく上り勾配にすることが望ましい。上り勾配なら桁の自重が移動を押し戻す向きに働き、移動速度を抑えて制御しやすくなるためです。⑴の横方向移動での両端の作業誤差管理、⑶の曲線桁橋の重心位置の把握とベント反力の検討、⑷のトラス橋の上げ越し量の確認は、いずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢2です。
問題:送出し工法で架設部材を縦方向に移動する場合、送り出し勾配は下り勾配にするのが望ましい。
〇か×か。
答え:×
送り出し勾配は上り勾配にするのが望ましいです。下り勾配だと桁が自重で滑走・暴走しやすく、移動速度を抑えにくくなります。
問題:曲線桁橋を吊り上げる際には、ねじれ・傾き・転倒等が生じないように重心位置を把握し、ベント等の反力を検討する。
〇か×か。
答え:〇
曲線桁は重心が桁線からずれるため、重心位置を把握してベント等の反力を検討します。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。鋼道路橋の架設は、道路橋示方書・鋼道路橋施工便覧等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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