令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.22は、鋼道路橋における溶接施工上の留意事項に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。組立溶接に従事する溶接作業者の資格、アンダーカット、ビード表面のピット、エンドタブという4つの記述を見分けます。
溶接部の欠陥は、絶対に認められないものと、深さの限度の範囲内なら許容されるものに分かれます。
問われるのは、アンダーカットがこのどちらに当たるかです。
引っかけは、許容される側の欠陥を「あってはならない」と言い切る形で作られています。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 組立溶接は一部又は大部分が本溶接内に残留することが多いので、組立溶接に従事する溶接作業者は本溶接に従事する溶接作業者と同じ資格を有していなければならない | ○(正しい) | 組立溶接は本溶接内に残るため、本溶接と同様に管理し、作業者にも同じ資格を求める |
| ⑵ アンダーカットは応力集中の主因となり腐食の促進にもつながるので、疲労の影響を受けないと考えられる継手においても、あってはならない | ×(誤り) | アンダーカットは規定の範囲内であれば許容される欠陥で、どの継手でも一律に「あってはならない」とはされていない |
| ⑶ 溶接ビード表面のピットは、異物や水分の存在によって発生したガスの抜け穴であり、断面に考慮する突合せ溶接継手では、ビード表面にピットがあってはならない | ○(正しい) | 突合せ溶接継手のようにピットが許されない継手と、すみ肉溶接継手のように若干の存在が許される継手がある |
| ⑷ 開先溶接及び主桁のフランジと腹板のすみ肉溶接は、原則としてエンドタブを取り付け、溶接の始端及び終端が溶接する部材上に入らないようにしなければならない | ○(正しい) | 欠陥が出やすい始端・終端をエンドタブ上に逃がし、溶接後にエンドタブを除去して仕上げる |
アンダーカットは、溶接の止端部で母材がえぐられ、溝状のくぼみが残った状態です。断面が減るだけでなく溝の底に応力が集中し、そこから疲労き裂が発生しやすくなります。水や塩分がたまれば腐食も進むため、⑵の前半、応力集中の主因となり腐食の促進にもつながるという説明そのものは正しい内容です。
食い違うのは後半です。アンダーカットは規定の範囲内であれば許容される欠陥で、限度を超えたものが手直しの対象になります。
継手が受ける疲労の影響の大きさに応じて、許容される深さは変わります。
疲労の影響を受けないと考えられる継手まで「あってはならない」と言い切る⑵は、実際の品質基準より厳しい記述です。
⑶のピットと読み比べると、許容の線引きの差がはっきりします。ピットは断面に考慮する突合せ溶接継手ではビード表面に認められず、すみ肉溶接継手などでは若干の存在が許容されます。
問題:アンダーカットは、疲労の影響を受けないと考えられる継手においても、あってはならない。
〇か×か。
答え:×
アンダーカットは規定の範囲内であれば許容されます。継手が受ける疲労の影響に応じて許容される深さが定められており、一律に禁止されているのではありません。
問題:組立溶接に従事する溶接作業者は、本溶接に従事する溶接作業者と同じ資格を有していなければならない。
〇か×か。
答え:〇
組立溶接は一部又は大部分が本溶接内に残留するため、本溶接と同様に管理し、同じ資格の作業者が行います。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。鋼道路橋の溶接施工は、道路橋示方書・鋼道路橋施工便覧等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
このサイトについて