ゼロから学ぶ土木施工管理

ゼロから学ぶ土木施工管理
  1. HOME > 過去問解説 > 令和6年度(1級) > No.23 高力ボルトの締付け

令和6年度 1級土木施工管理技士 No.23を解説、高力ボルトの締付け

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.23は、鋼道路橋における高力ボルトの締付け作業に関する記述のうち、適当なものを選ぶ問題です。締付けの順序、溶接と摩擦接合を併用する場合の施工順序、回転法で締め付けたボルトの検査、トルシア形高力ボルトの検査という4つの記述のうち、正しいものは1つだけです。

この問題のポイント

締付けは連結板の中央のボルトから順次端部のボルトに向かって行い、二度締めを行います。外側から締めると板の間に残ったすき間が中央に閉じ込められ、接合面が密着しません。誤りの3つは、溶接とボルトのどちらを先にするか、検査で不足と過大のどちらを取り替えるか、トルシア形を全数見るか抜き取るかを、それぞれ入れ替えています。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢1(最も適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 高力ボルトの締付けは、連結板の中央のボルトから順次端部のボルトに向かって行い、二度締めを行うものとする○(正しい)中央から端部へ締めると、接合面のすき間を外へ逃がしながら密着させられる
⑵ フランジ部と腹板部とで溶接と高力ボルト摩擦接合をそれぞれ用いる場合には、高力ボルトの締付け完了後に溶接するのを原則とする×(誤り)鋼道路橋では溶接の完了後に高力ボルトを締め付けるのが原則で、順序が逆になっている
⑶ 回転法により締め付けた高力ボルトは、全数についてマーキングによる外観検査を行い、回転角が不足するものについては、新しいボルトに取り換えて締め直す×(誤り)新しいボルトセットに取り替えるのは回転角が過大なもので、不足と過大が入れ替わっている
⑷ トルク法により締め付けたトルシア形高力ボルトは、各ボルト群の半分のボルト本数を標準として、ピンテールの切断の確認とマーキングによる外観検査を行う×(誤り)トルシア形は全数についてピンテールの切断の確認とマーキングによる外観検査を行う

選択肢1のポイント(ここが正しい)

高力ボルト摩擦接合は、ボルトを締め付けて板どうしを強く押し付け、その摩擦力で力を伝える接合です。板の間にすき間が残ったままだと所定の軸力が入らず、摩擦力も出ません。締付けは連結板の中央のボルトから順次端部のボルトに向かって行い、二度締めを行う。中央から締めれば、板のたわみやすき間を外側へ押し出しながら密着させられます。逆に端部から締めると、すき間が中央に閉じ込められて残ります。

誤りの3つは、それぞれ次のように入れ替えられています。

⑵は施工順序です。鋼道路橋では溶接の完了後に高力ボルトを締め付けます。逆にすると、溶接の熱と収縮が締付けの済んだ接合面に及びます。

⑶は検査後の処置です。新しいボルトセットに取り替えるのは回転角が過大なほうで、不足しているものは所定の回転角まで締め直します。

⑷は検査本数です。トルシア形高力ボルトは全数についてピンテールの切断確認とマーキングによる外観検査を行います。

ピンテールが切れていれば所定の軸力が入ったとみなせるので、半分を抜き取る扱いにはしません。

覚え方

  • 締付けは連結板の中央から端部へ、二度締め(すき間を外へ逃がす)
  • 鋼道路橋では溶接が先、高力ボルトの締付けが後
  • 回転法は全数を外観検査。取り替えるのは回転角が過大なもの/トルシア形はピンテールの切断確認とマーキング検査を全数

理解度チェック

問題:高力ボルトの締付けは、連結板の端部のボルトから順次中央のボルトに向かって行う。

〇か×か。

答え:×

中央のボルトから順次端部のボルトに向かって行い、二度締めを行います。端部から締めると接合面のすき間が中央に残ります。

問題:トルシア形高力ボルトは、各ボルト群の半分のボルト本数を標準として、ピンテールの切断の確認と外観検査を行う。

〇か×か。

答え:×

全数についてピンテールの切断の確認とマーキングによる外観検査を行います。

令和6年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 高力ボルトの締付け(締付けは連結板の中央のボルトから順次端部ボルトに向かって行い2度締めを行う/溶接の完了後に高力ボルトを締め付けるのを原則とする/回転角が過大なものは新しいボルトセットに取り替える/トルシア形は全数についてピンテールの切断の確認とマーキングによる外観検査を行う):土木施工管理技士 受験対策資料「高力ボルト」
  • 本締めの順序(中央から外周へ、全箇所を均等に進める):施工管理の教科書「高力ボルト」

※ 問題文は転載していません。高力ボルトの締付け・検査は、道路橋示方書・鋼道路橋施工便覧等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

過去問解説

よく学ばれる分野

このサイトについて

Topへ >>

  1. HOME > 過去問解説 > 令和6年度(1級) > No.23 高力ボルトの締付け