令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.35は、道路のアスファルト舗装における各種補修工法に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。表面処理工法、切削工法、オーバーレイ工法、打換え工法という4つの記述を見分けます。
誤りは、オーバーレイの事前処置と路面の状態の組合せにあります。シール材注入とリフレクションクラック対策は、既設舗装にひび割れがあるときの事前処置です。わだち掘れが生じている路面に重ねる場合は、まず不陸整正で凹凸をならしてから舗設します。⑶が路面の状態と事前処置を取り違えていないかが問われます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 表面処理工法は、路面の老化やひび割れ、摩耗等が生じた場合や予防保全の観点から、既設舗装上に薄い封かん層を設ける工法である | ○(正しい) | 薄い層で表面を覆い、劣化が進む前に機能を回復させる予防保全にも使う |
| ⑵ 切削工法は応急的な処置であり、凹凸が発生して平坦性が極端に悪くなった部分を機械で削り取る工法で、早期に凹凸が再発する恐れがある | ○(正しい) | 凹凸の原因まで直すわけではないため、再発しうる |
| ⑶ オーバーレイ工法をわだち掘れが生じている路面に適用するときは、事前にシール材注入やリフレクションクラック対策を行う | ×(誤り) | シール材注入やリフレクションクラック対策はひび割れへの事前処置。わだち掘れには不陸整正で凹凸をならす |
| ⑷ 打換え工法は既設舗装のアスファルト混合物層を全層及び路盤の一部、又は既設舗装すべてを打ち換える工法で、路盤や基層の転圧では縁部や隅角部の転圧が不十分になりやすい | ○(正しい) | 掘削した枠の中を転圧するため、端と隅は締固めが効きにくい |
オーバーレイ工法は既設舗装の上にアスファルト混合物の層を重ねる工法です。重ねる前の下地がどう傷んでいるかで、必要な事前処置が変わります。シール材注入やリフレクションクラック対策は、下地にひび割れがあるときの処置で、ひび割れをふさぎ、上の層へひび割れが写るのを抑えるために行います。
わだち掘れが生じている路面は、下地が波打った状態です。そのまま重ねると厚さが不均一になり平坦性も出ないため、最大骨材粒径の小さい混合物によるレベリング層などで下地調整を行い、平坦に均してから舗設します。⑶はわだち掘れの路面にひび割れ向けの処置を並べており、そこが取り違えです。⑴の表面処理工法が薄い封かん層を設ける工法であること、⑵の切削工法が応急的で凹凸が再発しうること、⑷の打換え工法で縁部や隅角部の転圧が不十分になりやすいことは、いずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢3です。
問題:わだち掘れが生じている路面にオーバーレイ工法を適用するときは、事前にシール材注入やリフレクションクラック対策を行う。
〇か×か。
答え:×
シール材注入やリフレクションクラック対策はひび割れへの事前処置です。わだち掘れには不陸整正で凹凸をならしてから重ねます。
問題:打換え工法では、路盤や基層の転圧で縁部や隅角部の転圧が不十分になりやすい。
〇か×か。
答え:〇
掘削した部分の中を転圧するため、端や隅にはローラが届きにくく締固めが不足しやすくなります。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。補修工法の選定は、舗装施工便覧・舗装の維持修繕ガイドブック等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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