令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.38は、ダムの基礎処理として行われるグラウチングに関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。ステージ注入工法、コンソリデーショングラウチングの目的、ルジオンテスト、セメントミルクの配合という4つの記述を見分けます。
誤りは、ステージ注入工法を進める向きにあります。ステージ注入工法は上位から下位のステージへ、削孔と注入を交互に繰り返して深くしていきます。浅い区間を先に固めておけば、深い区間へ高い圧力をかけても浅い部分から漏れません。⑴が上下を逆にしていないかが問われます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ ステージ注入工法は、下位から上位のステージに向かって削孔と注入を交互に行っていく工法である | ×(誤り) | ステージ注入工法は上位から下位のステージに向かって削孔と注入を交互に行う |
| ⑵ 重力式コンクリートダムのコンソリデーショングラウチングは、着岩部付近において、遮水性の改良、基礎地盤弱部の補強を目的として行う | ○(正しい) | ダムが載る着岩部付近を対象に、遮水性の改良と弱部の補強を行う |
| ⑶ ダム基礎地盤の透水性は、通常ボーリング孔を利用した水の圧入によるルジオンテストにより調査され、ルジオン値(Lu)で評価される | ○(正しい) | 孔に水を圧入し、その注入量から透水性をルジオン値で表す |
| ⑷ セメントミルクの配合は水セメント比(W/C)で表され、一般に濃度の薄い配合から濃い配合へ順次切替え注入していく | ○(正しい) | 薄い配合から入れて細かい割れ目まで行き渡らせ、順次濃くしていく |
ステージ注入工法は、1つの孔を一度に深くまで掘らず、区間(ステージ)ごとに削孔と注入を繰り返す方法です。向きは上位から下位で、浅いステージを注入してから次のステージを掘り下げる。浅い区間を先に固めておくと、深い区間で高い注入圧をかけても、グラウトが浅い割れ目づたいに逃げたり地表へ噴き出したりしにくくなります。⑴は下位から上位と書いており、この順序が逆です。
⑵のコンソリデーショングラウチングは、着岩部付近の遮水性を改良し、基礎地盤の弱部を補強するために行います。⑶のルジオンテストは、ボーリング孔に水を圧入して透水性を調べ、ルジオン値で評価する試験です。⑷のセメントミルクは、薄い配合から始めて細かい割れ目まで行き渡らせ、注入量の変化を見ながら濃い配合へ切り替えます。この3つは正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢1です。
問題:ステージ注入工法は、下位から上位のステージに向かって削孔と注入を交互に行う工法である。
〇か×か。
答え:×
上位から下位のステージに向かって進めます。浅い区間を先に注入してから掘り下げます。
問題:グラウチングのセメントミルクは、一般に濃度の濃い配合から薄い配合へ順次切り替えて注入する。
〇か×か。
答え:×
薄い配合から濃い配合へ順次切り替えます。細かい割れ目まで行き渡らせるためです。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。グラウチングの施工は、グラウチング技術指針・同解説等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
このサイトについて