ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和6年度 1級土木施工管理技士 No.40を解説、トンネルの掘削工法

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.40は、トンネルの山岳工法における掘削工法に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。補助ベンチ付き全断面工法、ベンチカット工法、導坑先進工法、中壁分割工法という4つの記述を見分けます。

この問題のポイント

誤りは、地山が不良なときのベンチ長の取り方にあります。ベンチ長が長いと、上半を掘ってから下半を掘って断面が閉じるまでの距離と時間が延び、その間に地山が緩みます。不良地山ではベンチ長を短くして早く断面を閉合します。⑵が長くすると書いており、そこが引っかけになります。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 補助ベンチ付き全断面工法は、ベンチを付けて切羽の安定を図ると共に、掘削効率の向上を図るために、上部半断面と下部半断面の同時施工を行う○(正しい)短いベンチで切羽を安定させながら、上下を同時に進めて能率を保つ
⑵ ベンチカット工法は上部半断面と下部半断面に分割して掘削する工法であり、地山が不良な場合にはベンチ長を長くする×(誤り)地山が不良な場合はベンチ長を短くして早期に断面を閉合する
⑶ 導坑先進工法は、導坑をトンネル断面内に設ける場合には前方の地質確認や水抜き等の効果があり、設置位置によって頂設導坑、中央導坑、底設導坑等がある○(正しい)小断面を先に掘って前方の地質を確かめ、湧水を抜きながら進められる
⑷ 中壁分割工法は大断面掘削の場合に多く用いられ、左右どちらか片側半断面を先進掘削し、反対側半断面を遅れて掘削する○(正しい)中壁で断面を左右に分け、片側ずつ掘って安定を保つ

選択肢2のポイント(ここが誤り)

ベンチカット工法は、断面を上部半断面と下部半断面に分けて掘る工法です。上半と下半の距離をベンチ長と呼び、これを長く取れば上半だけで掘進を続けられて施工は速くなりますが、断面が閉じない区間が長く残ります。地山が不良だと、この間に内空へ変位が進み、支保に無理がかかります。

したがって地山が不良な場合はベンチ長を短くし、早期に断面を閉合して変位を抑える。⑵は長くすると書いており、対応が逆です。⑴の補助ベンチ付き全断面工法は短いベンチで切羽の安定と掘削効率を両立させる工法、⑶の導坑先進工法は前方の地質確認や水抜きの効果があり導坑の位置で頂設・中央・底設に分かれ、⑷の中壁分割工法は大断面で片側半断面を先進させる工法です。この3つは正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢2です。

覚え方

  • 地山が悪いほどベンチ長は短く(早く断面を閉合して変位を抑える)
  • 導坑先進工法は前方の地質確認・水抜きに効く。位置で頂設/中央/底設
  • 中壁分割工法は大断面向き。片側半断面を先進させ、反対側は遅れて掘る

理解度チェック

問題:ベンチカット工法では、地山が不良な場合にベンチ長を長くする。

〇か×か。

答え:×

不良地山ではベンチ長を短くします。断面が閉じない区間を短くして変位を抑えるためです。

問題:導坑先進工法には、前方の地質確認や水抜き等の効果がある。

〇か×か。

答え:

小断面の導坑を先に掘るため、前方の地質を確かめ、湧水を抜きながら本坑を掘り進められます。

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出典・参考資料

※ 問題文は転載していません。山岳工法の掘削工法は、トンネル標準示方書(山岳工法)・同解説等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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