ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和6年度 1級土木施工管理技士 No.41を解説、トンネルの補助工法

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.41は、トンネルの山岳工法における補助工法に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。地表面沈下対策、地下水対策、脚部の安定対策、天端部の安定対策という4つの対策と、それぞれに使う工法の組合せを見分けます。

この問題のポイント

誤りは、鏡ボルトをどこの対策に置くかにあります。鏡ボルトは切羽の鏡面から地山へ打ち込み、鏡部の押出しや緩みを抑えて掘削面を安定させる工法です。脚部の安定対策に並ぶのは仮インバートで、そこに鏡ボルトを混ぜると対策部位が食い違います。⑶が対策部位と工法を取り違えていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 地表面沈下対策は、地表や地中の構造物への影響抑制のために実施するもので、長尺フォアパイリング、パイプルーフ等がある○(正しい)トンネル上方をあらかじめ支え、地表面の沈下を抑える工法群
⑵ 地下水対策は、地下水による切羽の不安定化防止対策として実施するもので、水抜きボーリング、止水注入工法等がある○(正しい)水を抜くか、止めるかの2方向で切羽の不安定化を防ぐ
⑶ 脚部の安定対策は、脚部沈下と沈下に伴う地山の緩み抑制のために実施するもので、仮インバート、鏡ボルト等がある×(誤り)鏡ボルトは切羽(鏡面)の安定対策。脚部の対策に並べるのは誤り
⑷ 天端部の安定対策は、天端の崩落防止対策として実施するもので、充塡式フォアポーリング、注入式フォアポーリング等がある○(正しい)天端の前方へ棒状の材料を打ち込み、崩落を防ぐ

選択肢3のポイント(ここが誤り)

補助工法は、どこが不安定になるかで使う工法が決まります。脚部の安定対策は、支保工の脚部が沈下して地山が緩むのを抑えるもので、仮インバートで断面を早く閉じる方法などが該当します。ここまでは⑶の前半と仮インバートで合っています。

食い違うのは鏡ボルトです。鏡ボルトは切羽の鏡面から打ち込み、鏡部の押出しや緩みを抑えて掘削面を安定させる工法で、対象は脚部ではありません。⑴の地表面沈下対策に長尺フォアパイリングやパイプルーフを挙げる点、⑵の地下水対策に水抜きボーリングや止水注入工法を挙げる点、⑷の天端部の安定対策に充塡式・注入式のフォアポーリングを挙げる点は、いずれも正しい組合せです。したがって適当でないものは選択肢3です。

覚え方

  • 鏡ボルトは切羽(鏡面)の押出し防止。脚部は仮インバート
  • 地表面沈下対策=長尺フォアパイリング・パイプルーフ/天端部=充塡式・注入式フォアポーリング
  • 地下水対策は水抜きボーリング(抜く)と止水注入工法(止める)

理解度チェック

問題:鏡ボルトは、脚部の沈下と地山の緩みを抑制するための補助工法である。

〇か×か。

答え:×

鏡ボルトは切羽の鏡面から打ち込み、鏡部の押出しや緩みを抑える工法です。脚部の対策は仮インバート等になります。

問題:天端部の安定対策には、充塡式フォアポーリングや注入式フォアポーリングがある。

〇か×か。

答え:

天端の前方へ打ち込んで崩落を防ぐ工法で、天端部の安定対策に該当します。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 鏡ボルト(フェイスボルト)の目的(鏡部の押出しや緩みの抑制を行い掘削面の安定を図ります):フジモリ産業「F-Sボルト工法(鏡ボルト)」

※ 問題文は転載していません。補助工法の選定は、トンネル標準示方書(山岳工法)・同解説等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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